▼ 複素数について ▼
数学Ⅰまでの範囲では,2次方程式を解く際に
√の中の値が負となった場合は「実数解なし」と答えれば良かったが,
数学Ⅱ以降ではそれが認められない。
数学Ⅱ以降では√(-1)=i と定義し,i を虚数単位という。
a∈R , b∈R(Rは実数を意味する)のとき,
a+biの形で表される数を複素数といい,
b≠0ならばa+biは虚数,
a=0 , b≠0ならばa+biは純虚数,
b=0ならばa+biは実数であるという。
また,aを実部,bを虚部といい,
a+biとa-biは互いに共役な複素数であるという。
複素数の計算方法は次のように定義される。
【 ① (a+bi)±(c+di)=(a±c)+(b±d)i (複号同順)
② (a+bi)(c+di)=(ac-bd)+(ad+bc)i
③ (c+di)/(a+bi)={(c+di)(a-bi)}/{(a+bi)(a-bi)}
={(ac+bd)/(a^2+b^2)}+{(ad-bc)/(a^2+b^2)} i
④ a+bi=c+di ⇔ a=cかつb=d
⑤ 0i =0 】
虚数に大小関係はない。i >0と仮定すると
i^2>0となるはずだが,i^2=-1であるから矛盾する。
同様に,i=0やi <0と仮定した場合も矛盾が生じる。
よって,虚数を実数で表すことはできないので
虚数に大小関係はない。したがって,
不等式に与えられた文字は実数であると考えて良い。
例題6: 1/(1+i)を計算せよ。
1/(1+i)={1(1-i)}/{(1+i)(1-i)}=(1-i)/(1-i^2)=(1-i)/2
練習問題6: 次の計算をせよ。但し,(7)はa+bi(a∈R , b∈R)の形にすること。
(1) √(-16)
(2) √(-18)
(2) 4+i-2-6i
(3) (3+4i)^2
(4) (2+i)(3-2i)
(5) (5-3i)/(5+3i)
(6) -100i^165-100i^166-100i^167-100i^167
(7) √(-2i)
練習問題6: 解答
(1) √(-16)=(√16)i=4i
(2) √(-18)=(√18)i=(3√2)i
(2) 4+i-2-6i=2-5i
(3) (3+4i)^2=9+14i+16i^2=-7+14i
(4) (2+i)(3-2i)=6-4i+3i-2i^2=8-i
(5) (5-3i)/(5+3i)={(5-3i)(5-3i)}/{(5+3i)(5-3i)}
=(25-30i+9i^2)/(25-9i^2)=(16-30i)/34={2(8-15i)}/34=(8-15i)/17
(6) -100i^165-100i^166-100i^167-100i^167
n∈Z(Zは自然数の集合を意味する)のとき,
i^(4n)=1 , i^(4n+1)=i , i^(4n+2)= -1 , i^(4n+3)= -i が
成り立つので,i^(4n)+i^(4n+1)+i^(4n+2)+i^(4n+3)=0となる。
よって,-100i^165-100i^166-100i^167-100i^167= (-100i^164)(i+i^2+i^3+i^4)=0
(7) √(-2i)
√(-2i)=a+biより,{√(-2i)}^2=(a+bi)^2
-2i=a^2+2abi-b^2=(a^2-b^2)+2abi
したがって,a^2-b^2=0かつ,2ab= -2となれば良い。
2ab= -2より,ab= -1 すなわち,a= -(1/b)
a= -(1/b)をa^2-b^2=0に代入して
{-(1/b)}^2-b^2=(1/b^2)-b^2=0
b≠0であるから,(1/b^2)-b^2=0の両辺をb^2倍して
-b^4+1=0 b^4=1 b^2=±1 b∈Rより,b=±1
a= -(1/b)にb=±1を代入してa= -{1/(±1)}=∓1 (複号同順)
b=±1のとき,a=∓1であるから,a=±1のとき,b=∓1である。
よって,√(-2i)=±1∓i (複号同順)
パート7はこれにて終了です。お疲れ様でした。
僕は最近,数学Ⅲまで予習する気になったので
数学Ⅱに関する日誌を投稿する頻度が減ります。
(もしかしたら二度と投稿しないかも)
申し訳御座いません。