ザラターンの冒険日誌

その日INし、チームのIN状況を確認すると、カタキさんが一人で、《ポポリアきのこやま》に篭もっていることが解った。理由はすぐ察しがついた。

おそらく、明日の大型アップデートにより、【タイガークロー（通称虎）】が弱体されるので（←カタキさんの現時点での最強職は、ツメ盗賊なので、虎の弱体は死活問題なのだ。）、今日のうちに【竜のおまもり】を手に入れてしまおうという魂胆なのだろう。
しかし・・・
挨拶がてら声をかけてみると、カタキさんは、呻くように、おれが予想だにしなかったことを呟いた。

カタキさん　　「ドウさんが…ドウさんが・・・；；」
ザラ　　　　　「・・・？；」
カタキさん　　「ううううう；；」

・・・ドウさんに一体なにが(゜～゜；)？
カタキさんに先を促すと、ぽつりぽつりと話し始めた。
曰（いわ）くー・・・

先ほど、ドウさんがカタキさんと同じ理由で《きのこ山》へと単身乗り込んだ。ということ。
そこで、２、３戦もしないうちににあっさりと【竜おま】を手に入れ、堂々と凱旋し、そして悠々と『飯落ち』していったのだ、と。

なんということだろう。

我々陸亀旅団が半年に渡り追い求めてきた伝説のアクセ（←誇張）を、ドウさんは今日、あっさりと手に入れてしまったのだ。それも、一人で。
おれは少し悔しくなった。

ザラ　　　　　「おのれ、ドウさんめ；ｗ」
カタキさん　　「ううううう；；」

おれは、すぐさまカタキさんと合流し、今や見慣れたピンクのカエル顔ドラゴン【ファンキードラゴ】狩りに参加することにした。
かくなる上は、我々も、なんとしても今日中に【竜おま】を手に入れるのだ！
程なくアストさんも合流し、ずいぶん楽に狩りを回せるようになった。
途中、気合いの入ったカタキさんがアゴ（本名略ｗ）に魅了され、哀れなオーガを葬ったりもしたが（２回ほどｗ）、２０戦くらいした頃だろうか。ついに我々の前に、本日最初の【黄金の宝箱（レアドロップ）】が姿を現した。
と、そのとき・・・

ちりんちりーん（音）

『ドウがログインしました。』

お知らせドラキーがドウさんのINを知らせる。
程なくして、ドウさんの勝ち誇ったような（そう聞こえただけｗ）声が聞こえてきた。

ドウさん　　　　「お疲れさまです。今日もきのこ山にｗ？」

的な事を言っていたようだが、あまり覚えていない；その時、我々はそれどころではなかったのだ。

ザラ　　　　　　「び」

ザラ　　　　　　「びびび」

ザラ　　　　　　「ビーナス（【ビーナスのなみだ】）ｗ」
ドウさん　　　　「なん・・・だと！；」

なんと、我々は【竜おま】ではなく、ピンク竜のお供としてたまに出てくる、アゴの人の方のレアドロップを入手してしまったのだｗ

【ビーナス】は、【竜おま】同様、優れた属性耐性を誇る高性能なアクセで、その価値は決して【竜おま】に引けを取らない。
これは良いものを頂いたｗ

長くなるので端折るが、
その後、ドウさんも合流し、狩りは続けられた。
そして、我々はなんと【竜おま】の入手にも成功することになる。




これらは、もしかすると、今日このveｒ１・３の終わりに、去りゆく【虎】からの贈り物だったのかもしれない・・・。

なんつって。