ザラターンの冒険日誌

長く続いた常闇の竜への挑戦も、
おそらく最終段階。


相変わらず、挑戦の機会こそ
思うように取れていないが、
それでも奴を瀕死まで追い込む回数は
目に見えて増え続けている。順調。


さて、
今回の覚醒段階Ｖのレグナードと、
数年前の覚醒段階Ⅳのレグナード。
戦闘の難易度的に、
明らかに異なっている点が１つある。


それはー…

『　制限時間の関係上、今回は
　　パーティ全員が一丸にならないと
　　まず倒せない　』

と言うことである。


かつてのレグナードは、当時でも最悪、
壁となるパラディンと僧侶が
しっかりと対応していれば、
多少後衛が崩れても、
十分に持ち直す時間のある
戦いだったと言える。


だが、今回はそれだけでは通用しない。
メンバー全員が的確に動き、互いを補い、
死力を尽くし…
それで初めて、
良い勝負ができるような戦いだ。


パーティメンバー全員で
連携が取れなければ、
始まりすらしない戦い。まさに死闘。



(；゜ロ)＜　連携か…



個人的には、
サポート仲間を率いて戦うような戦闘も、
決して嫌いではない。


そして…冒険をする為、
積極的に人を集める、という事も、
自分の本質的には、苦手である
とすら思っている。


故に…


時には、
『人を募って戦う』という事を、
煩わしく思うこともあった。

勝つにしても負けるにしても、
自分一人での挑戦なら
もっと身軽で気楽なのに、と。



それでも。


【　仲間達を集め、
　　全員で試行錯誤し、
　　死力を尽くして挑戦する　】


…こういう戦いが、
無くなって欲しいなどとは、
微塵も思った事などない。

なぜならば。


それが…そういうものこそが、
【　冒険の真髄　】。


その１つである、と思っているからだ。


かつて　おれは
そういう冒険にあこがれて
『この世界に生まれ落ち』、

そして


『　冒険者になった　』。


　　　　　そのはずなのだから。



だから、
少しだけ勇気を出して。


苦手な事にも。

弱い自分にも。


少しずつ向き合ってきたんだ。


…本当は勇気よりも、
『慣れ』と『立場』が
無理矢理背中を押してくれた場合の方が
圧倒的に多いかもしれないが…ｗ

まあ、それはそれ。



ともあれ。

最初から、全ての冒険を一人でできる。
そんな世界だったなら。

今の　おれは多分、
ここに存在していなかっただろう。


だからこそ。


☆　　　☆　　　☆ ☆　　　☆　　　☆



この世界で。

そんな拙い歩みの中で。


呼べば応えてくれる。
冒険を共にしてくれる。


そんな人達に出会えたこと。
仲間を得られたこと。

それこそが。


おれにとって、きっと一番の幸運で…


そして、誇りだった。


…そう思えて　やまないのだ。



ならば、試練上等。





☆　　　☆　　　☆ ☆　　　☆　　　☆



パーティ全員が
死力を尽くさねば危うい　
この死闘。


それがどうした。


今や　なんの憂いも無い。
皆の上達を見て、それは確信できた。



挑戦を止めない限り、
おれ達はいずれ必ず勝つだろう。


ならば　おれは余計な気を回さずに
己の仕事を成すのみだ。

目の前の竜に集中し、
仲間達を守る、不壊なる盾となろう。


常闇の竜と真に決着をつける、その日まで。


～～つづく～～