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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 130

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ザラターンの冒険日誌

2020-12-18 23:03:36.0 2020-12-20 01:44:49.0テーマ:その他

踊る甲冑⑧(了)~♪夢の卵の孵るところ~

『 無い! 』 

博愛の碑の広場にやってきて早々、
おれは困惑していた。
あいつの石碑が見当たらないのである。


場所を移した?
等と思案していると…

ふと背後から声をかけられる。



☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


振り返ると、
語り部の装束に身を包んだ
ウェディの少女が佇んでいた。

『 もしかして
  大地の竜を鎮めた英雄の碑を
  探してる? 』

『 そうだが…君は? 』



☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


少女はエスタータと名乗った。


聞けば駆け出しの吟遊詩人で、
冒険者として生計を立てつつも、
各地の伝承や、英雄譚を探して
旅をしているのだそうだ。


『 エスタータ、 
  君は、ここの石碑について
  何か知っているのかい? 』


そう訪ねると彼女は、
にへら~、と、意味ありげに笑う。


『 実は あたし、
  その石碑の行方に関わる英雄譚を
  ちょ~うど練習中なの。
  良かったら聴いてってよ!
  お代は聴き終わってから
  決めてくれて いーからさ! 』


…そういうことか。


人なつこい笑みの裏に

『 不意に湧いて出た
  ネギ背負った聴衆兼、メシのタネを
  決して逃すまい! 』

とする気迫を感じ、
つい頬が緩んでしまう。
うむ、冒険者の資質は十分。


これも何かの縁か。
直感で彼女を気に入ったこともあり、
提案を飲むことにする。

彼女は声を弾ませると、
荷物袋から小型のハープを取り出し、
手早く調整を始めた。


おれもその辺の手頃な岩に、
どっと腰を下ろす。


はやる気持ちはあるが、
たまにはこういうのも良いだろう。


…程なく、気合いの声とともに
エスタータは戻ってきた。


『 それではご静聴下さいませ!
  今宵語りまするは 』
『 今宵。 』

『 う、うるさい!
  ご静聴くださいませッ! 』

『 はいはいw 』


…照れ隠しに咳払いを一つ。
それからハープの弦を三つ、爪弾く音。

静寂。


__こたび 語りまするは
  英雄譚【盾となるもの】。
  その第二章。題して…

    【 黄金のパラディン 】__



乾いた空に、良く通る澄んだ声と、
まだ拙さの残る
ハープの音色が響きわたる。


…平和な一日。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆



…詩が終わって。




数秒の静寂の後、
忘れていたかのように響く拍手と…

…その音に紛れて、
こっそりと、鼻をすする音。

吟遊詩人は、得意げだ。


賞賛の声に礼の言葉を乗せて。
幾ばくかの硬貨の入った皮袋を、
投げてよこす。

素早くそれをキャッチして、
彼女はほくほく顔。

みっともない顔をあまり
見られたくなかったので、
おれは早々に、きびすを返す事にした。


『 じゃ、もう行くよ。
  良い英雄譚に出会えるといいな。 』

『 あ…う、うん!ありがとうー!
  にーさんも、良い旅をね!  』



… 帰路につきながら、詩を反芻する。


( あの子の泣く声が聞こえた、か。 )


おれは今まで、騎士の道なんて
人それぞれだと思っていたが…


その道の『根底』にあるものは、
きっとそう多くはなかったのだろう。


今ならそう、信じられる気がした。



と…その時…


背後からの大声で、
現実へと引き戻される。
振り返るとエスタータが駆けて来ていた。



『 これ、ウルベア金貨じゃん! 』

『 おう、路銀の足しにしてくれ 』


男前の顔を作って、渋く答える。


『 こんな大金貰えないよ!
  だって… 
  にーさんあんま
  お金持って無さそうだし! 』


的を得た一言。
…男前の顔のまま、
おれは鼻水が吹き出そうになった。

…おれの涙はしょっぱいだけなので、
空笑いをひねり出す。


『 いいんだよ。

  冒険者には…!
  身銭を切ってでも、成さねばならぬ
  時があるのだ! 』


『 ええ!? 』


『 だって後輩に
  いい格好したいじゃない… 』


『 ぶっちゃけたね!
  我慢できなくなって
  ぶっちゃけたね!? 』


『 なあに心配するな…
  心頭滅却すれば、たとえ
  野宿の一週間や二週間… 』


『 ダメじゃん!遠い目じゃん!
  冬だし!凍死するし! 』


『 ダイジョブ、オデ、
  ヌーク草 モッテル 』


『 だいじょばないじゃん!
  カタコトじゃん!
  一人称、オデになってるしー! 』
  





☆   ☆   ☆


… かくして、騎士ザラターンの
  大きな物語が、ここに幕を閉じる。 …

だが今のおれは、冒険者。
冒険の旅は、まだまだ続くのだ。

~踊る甲冑、了~
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