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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 133

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ザラターンの冒険日誌

2013-07-03 03:11:20.0 2013-07-03 03:41:33.0テーマ:その他

撮影場所「グレン住宅村 756丁目雪原地区」 / 紅葉舞う 誰が呼んだか 水やりザムライ


       【水やりWARS・後編】



おれが困惑した理由は、明白だ。

次の日も、自分の畑に、またしても全く知らない人からの水やりを受けていたからだ。
勿論前回の人とは、また別の人である。


おれ、何か目立つようなことやったっけ・・・?


酒場で雇う、もしくは雇われた、の関係?
迷宮でたまたまご一緒した人?

思案を巡らせても、なかなかピンとこない。

だが、もう一度畑に戻ってきたところで、突如おれの頭に、電球が閃いた。

この名前・・・よく見れば、昨日、水やりのお返しをした人に、関連が有りそう・・・。

親族か、はたまた仲間内のコードネームか。
ともかく、昨日の家の人に【ゆかり】がある者と見て間違いなさそうだ。
そこで、おれはあることを思い出した。

そういえば、昨日の人の家の看板に


「○○丁目、○○番地で二号店やってます。」


などと書かれてあったな・・・。
これは有力な手がかりになるかもしれない。

メモった住所の書かれた紙を頼りに、その場所を訪れてみる。

そして、そこの家主の名前はー・・・


ーーーー・・・ビンゴだった。


やった、見つけてやったぞw


おれは再び電光石火で水を振りまき、ついでに肥料も投下し、鼻歌混じりで帰還した。



そして次の日・・・


おれの畑は、当然と言わんばかりに、また、知らない人から水やりを受けていた。


今度の名前は、今までと関連がありそうな、無さそうな、微妙な感じ。
やはり広場の名簿にも引っかからない。


今回ばかりは諦めるしかないのかー・・・


でも、なんか悔しかったので、とりあえずは昨日の人の家、一昨日の人の家の【スライムチャイム】をくまなく調べることにしてみた。
もはやちょっとした、探偵気分である。


どちらの家にも、チャイムには、ポツポツと、水やりへのお礼のメッセージが書かれていた。


ー・・・なるほど、あらかたの予想はついていたが、やはり【犯人】は、生粋の【水やり魔】か・・・。


おれは次に、周辺の家の捜索を始めた。
不法侵入は本意ではないが、【犯人】宅のチャイムにメッセージを入れていた人の家を見つけたので、好奇心を抑えられず突入してしまった。

そこでは手がかりを得ることはできなかったが、ほかの家などを調べている間に、どうやら、【犯人】宅に残されたメッセージは、全てそのご近所さんのモノだったということが解った。

なるほど、【犯人】は、ほぼ近所の住民限定で、水やりをしているのだろうか・・・。


そこで疑問が浮かぶ。

じゃあ、犯人は何故、地区も、丁すらも異なるおれの家に、わざわざ水をやりにきたのだろう・・・?


答えは、程なくして出てきた。


思えば、おれが【ご近所】として認識している範囲は、自分の周辺の数軒の家だけだった。

同じ丁目の、別の地区は、家を建てた時にふらりと見て回っただけで、住んでいる人の名前までは記憶していない。


かすかな希望を頼りに、おれは同じ丁目の別の地区に足を踏み入れた。


そしてー・・・



思った通りだ。


【三人目】の名前がそこにあった。


ようやく、ようやくみつけたぞ!

おれは、達成感と、うれしさと、僅かにおぼえた怒りの入り交じった感情で【犯人】の畑に水をまく。


さて、一仕事終えたが、このままではおわれまい。

チャイムに、思いの丈を刻み込んで帰るとしよう。


深呼吸して、家の軒先に立つ。

そしておれは、静かに、ドアノブに手をかけた。




鍵がー・・・かかっていた。






            【後日談】

【犯人】は、それからも毎日のように、おれの畑に水をやりにくる。

無論、おれも、水をもらったときは、犯人の家にお返しにいく。

ヒドいときは、一日の内に三人全員で水をやりにくるが、お返ししないのも気が引けるので、とりあえずは全員にお返しにいく。

そしてこの犯人、やはりおれの家だけでなく、恐らく同じ丁目に住んでいる全ての住民の家に、毎日のように水をあげているのだと思われる。


おれが知る中で、間違いなく最強の【水やり魔】・・・。


チャイムにはメッセージを残してくれることもあるし、
自宅のモーモンバザーの品を買ってくれることもある。
ばったりあっても喋ってくれないが、基本的には良い人だ。


さて、どんなメッセージを残していったのかと言えば・・・




「水やりおじさん二号参上!」




ああ、水やり戦争はまだまだ続きそうだw


       ~~~FIN~~~
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