
「ソルヴェイグさん、なんの本を読んでるの?」
「これですか? 宮澤賢治という、遠い世界の詩人が書いた『銀河鉄道の夜』という物語ですよ」
…「ぼくは、おっかさんがほんとうに幸いになるなら、どんなことでもする。 けれどもいったいどんなことが、おっかさんのいちばんの幸いなんだろう…」※
幸せって、近くにありすぎて、そのときは気づかないんだよね。
父がいて、母がいて、妹がいて、
なんでもない当たり前の日常が、一番幸せだったと思う、あの日。
この時間が、ずっと続けばいいのに。
君のおっかさんが願っていた「いちばんの幸い」も、同じだったんじゃないかな。
…ねえ? カムパネルラ。
(※の台詞は、宮澤賢治『銀河鉄道の夜』より引用)