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グランマーズの魔女

ウィルカ

[ウィルカ]

キャラID
: JL723-092
種 族
: エルフ
性 別
: 女
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 125

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ウィルカの冒険日誌

2016-04-12 21:37:48.0 2024-01-13 13:28:40.0テーマ:その他

母と父と私とお地蔵さんと

DQXとはなんの関連性もない記事ですが、ずっと心の中にしまっておいた私の思い出話を、どうかこの場でお話させて下さいまし。

…まだ私が、10歳か11歳くらいの子供だったころのことです。
母と一緒に近くのショッピングセンターに買い物へ行った私は、お菓子売り場の一角で、売れ残りの玩具や駄菓子に混じって無造作に積み上げられている「もの」を見つけました。
それは、大人の親指くらいの大きさの、白い石でできた小さな「お地蔵さん」でした。
一目見てそれが欲しくなった私は、100円で売られていたその小さなお地蔵さんのお守りを、母にせがんで買ってもらったのです。

私は、そのお地蔵さんを、実家の二階にあった母の部屋の人形タンスの戸棚の中に祀って、お菓子や要らなくなった玩具などを供えて、毎日お祈りをしていました。
そして、お風呂に入るときは、そのお地蔵さんも一緒に持ち出して、湯船の中で小さな石の身体を洗ってあげていました。
お地蔵さんは両目を閉じて、うっすらと微笑んで、まるで本当に喜んでくれているように見えました。
そんな私の想いが通じたのか、そのお地蔵さんに「お願いごと」をすると、不思議とそれが叶うことも何度かあったのです。 それから時が過ぎて、私は「大人」になりました。
高校を卒業して就職した私は、19歳で中型二輪の免許を取り、母の心配もよそに、晴れの日も雨の日も職場まで毎日バイクで通勤していました。
あるとき母が、小さな可愛らしい「お地蔵さん」のマスコットが付いたお守りのキーホルダーを私に買ってきてくれました。
「お前は昔から、『お地蔵さん』が好きやったろう?」
母にそう言われるまで、子供のころに買ってもらったあの「お地蔵さん」のことも、ずっと戸棚の中に入れっぱなしにして、その存在すらも忘れてしまっていたのでした。
その日から私は、バイクに乗る時は、その真新しいお地蔵さんのキーホルダーを、いつも身につけていたウェストポーチに一緒にぶら下げて出かけるようになりました。

そんなある日、私は、通勤途中に脇道からいきなり飛び出してきた車と衝突する事故に遭いました。
私の身体は衝撃で十数メートルほども弾き飛ばされて、気がつくと私は、自分のバイクの下敷きになっていました。
辺りには破片が四散し、現場検証をした年配の警察官は、事故現場を一目見て「死亡事故か。かわいそうに」と思ったそうですが、そんな大事故にも関わらず、膝を擦り剥いた程度の怪我ですんだ私を見て、「奇跡だ」と言ってくれました。
ふとウェストポーチに目をやると、キーチェーンの部分だけを残して「お地蔵さん」が消えてなくなっていることに気がつきました。
「お地蔵さんが身代わりになってくれたんやね」
家に無事に戻ってきた私を見て、母が涙目でそう言いました。 その事故から数年後の春。母が亡くなりました。
母が亡くなって1年ほどが過ぎたある日、父が、母の大事にしていた庭の花や木を全部切り倒し、母の飾っていた人形までタンスごと焼き捨ててしまったのです。
その中には、私のあの「お地蔵さん」も混じっていました。
怒りに狂った私は、「アンタが死ねばよかったのに!」と父を激しく罵りました。
でも父は、そんな私の呪いの言葉を聞いても、ただ鼻で笑っただけでした。

そんな父も、ほどなくして母のあとを追うようにして亡くなりました。
それからもう何年経った日のことだったかは忘れましたが、あるとき、両親の仏壇の引き出しを何気なく開けた私は、そこに入っていたものを見て、父が私に遺してくれた「真意」を知りました。
それは、母が、子供のころの私に買ってくれた、あの「お地蔵さん」でした。

『ごめんね、ごめんね…』

そのお地蔵さんを手のひらに乗せた時、私の目から涙が溢れました。
両親が死んだ時から、何年もずっと流せなかった涙が。
父は、そのお地蔵さんを、母の写真と一緒に、ずっと残していてくれていたのです。 そして今日。
今年もまた、母の命日が訪れました。
17年前のこの日の夜遅く、春の雨に散らされた桜の花びらと一緒に、母は天に舞っていきました。

あとで知った話なのですが、私には「二人の姉か兄」がいたそうです。
その二人は、この世に生まれてくることも叶わないまま命を終わらされました。
あの、母のタンスの戸棚の中には、たくさんのこけしや木彫りの人形が飾られていましたが、同じものが「二対」並べられていたのは、きっとそのためだったのでしょう。

その「お地蔵さん」は、今も仏壇の中で静かに微笑んでいます。
あなたと、お父さんがそうしたように、私も、与えられた命が尽きるその日まで、その子たちの分までせいいっぱいに生きていこうと思います。
だからもう、私のことは心配しないでね。
お父さん、お母さん。

2016年4月12日 ウィルカ
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