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しゅーげつ

[しゅーげつ]

キャラID
: NX660-135
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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しゅーげつの冒険日誌

2019-07-20 00:56:43.0 テーマ:その他

【勢い小説】転生したら○○でした ~プロローグ~ 【気分更新】

オレの名前は只野鹿羽男。

頭が割れそうな名前以外は、
これといって特筆するべき事もない、
どこにでもいる男だ。


代わり映えしない日々。
普段どおりの昼下がりに、見慣れた曲がり角。

お決まりの――というより一種類しかない――コーディネイト。

そんないつもの帰り道。



何も生まず、何も構わず、
関わらず、欲っさず、

誰からも求められず、

誰も求めず。



そんなお世辞にも『生きてる』とは言えない日々は、

とある地方都市の、
とある街の片隅の、
とある名も無きT字路で、

右から左に受け流すように吹っ飛んで来たトラックのバンパーの
鈍い効果音を添えて、終わった。





出落ちかよ……!!


薄れゆく意識の中で、自分へのツッコミを最期の置き土産に、
オレは急速に収縮していく暗闇の最奥、

薄ぼんやりと煌く一点の光へと、飛ぶ。


大したことない人生は、他愛なく終わったけど、
不思議と怖くも辛くもなかった。

ただ後ろめたい解放感だけが全身をひんやりと包み、


オレは暖かな帳に溶けていった――
ぱーらららー!ぱーーーらーーーーらーーー!!




突如頭の中だか、脳だか、意識だかに、
どこか聞き覚えのある、
『教会風ファンファーレ』がけたたましく響き渡る。

見渡す限り360度一面を、
見たことのない淡色の草花が埋めつくす。


絵の具が滲むように拡がる緑、
霞むような青空、

眩むように射し込むエンジェルラダーと共に、


一人の美しい女性が舞い降りた。


いや……天女か、女神か、
得体の知れない美女が、

薄絹をはためかせ、両手を大きく開く。



「おお○○よ、しんでしまうとはなさけない」



……はい??

「え??誰??」


「……ごにょごにょ、よ!しんでしまうとは――」

「いやいやいやいや!その、ごにょっとしたとこ、
  そこんとこを、
 
 もう一度!
 
 ハッキリ!!

 渇舌良くおなしゃす!!!」


「んむにゅ……よ」

小さく咳払いをして顔を背けると、
微妙なアルカイックスマイルをたたえながら言い直した。


「しんでしまうとはなさけない」


諦めやがったよ……


名前が読めないとか、DQNネームだとか、
やーい!お前の母ちゃん厨二病だとか、

教師ですら最後まで苗字一本で貫かれて来たが、
完全にスルーした奴は初めてだわ。

てか、リアルで聞くとさすがに萎えるな、
この台詞……



「……で、アンタ誰?」


「私は……精霊ルビス。かの地を創造りしもの」


自己紹介はすんのな。
別にいーけどさ。

「その精霊さんとやらが、何の用?」


「貴方の無気力で自堕落で、無意味な生は、
ぶっちゃけて、何も無いままに終わりました」

初対面で辛辣だなおい!!
美人に悪し様に言われて悪い気もしないオレも大概だけどな!!!


「で、何!? 転生とかさせてくれたりすんの??」


「貴方が望むのであれば……今は余りお勧めしませんが」



え!?まじ??
異世界に生まれ変わって?

一話からレベルカンストしたり、
のっけからステータスマックスで?
現れる女子が老若問わずことごとく
大した理由も無くオレに好意を持ってたり!?
ライバルは不当に頭が悪かったり?

そんな都合の良い世界に!?
このオレを!!!


「やってくれ! 今すぐやってくれ!」

「で、ですが……今、枠が一つしか開いてなくて……」

「は?? 転生枠とかあんの!?」


ハロワでももうちょい門戸広いぞ?
まぁブラックじゃなきゃ何でもいーよ。


けどまぁ転生っつーと、
チート放題やり放題、高確率でパラメーターに恵まれるか、
不遇職でもご都合運補正で何とかなったりする
ヌルゲーと相場が決まってる!!

「……ノープロブレム! やっちゃってくれ!」

「分かりました……もう一度確認しますが、本当に良いのですね?」


「ばっちこーい!!!」 精霊ルビスの小さな溜息と共に突如降りてきた漆黒の緞帳と、
聞き慣れた、


でれでれでれでれ、でんででん


という、
具体的には昭和後期のいたいけな少年達の心に、
強烈なトラウマを植えつけた、

あの効果音と共に、


オレの意識は電源が落ちたブラウン管テレビのように、

ぷつんと途絶えた。




続く
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