で、おはなし感想広場の当該項目が一ヶ月前に閉じられていたので、こっちへ書いてみようと思う。
ストーリーの出来・既存キャラクターの扱い・世界観の尊重云々はプレイヤーのみなさんから散々論われたあとであるし、シナリオ班の皆さんには強い教訓となったであろうから割愛。
メインストーリーの出来を見るにパクレ警部の件は一時の気の迷いであったのだろうと感じますし、シナリオ班の方々は私達よりもよほどしっかりとシナリオについてお勉強されているのですから、今後同様の失敗をすることはおそらくないと信じております。
ただまぁ、残念ながら「世間ではこう言われてるけど面白かったよ!」とは、ちょっと言えないのが正直なところです。最初から夢オチだと言われてたからなんとか耐えられた、この1点に尽きます。
私は、問題はもっと別のところにあると考えます。
「このクエストを実装する以前、運営内ではどういうチェック体制が採られていたのか」
これを精査し体制をしっかりと整えることこそ、今回最も教訓として生かされるべきでしょう。
① 制作までに時間がなかった?
予告した制作スケジュールの厳守を優先してしまった結果、ストーリー内容の練り込みが足りなくなったのでしょうか。
それなら別に実装しなくてもよい、と今回の件でみんな思ったでしょうし、今後は是非そうしていただきたいですね。恐れることなく後回しにしてください。
② 誰も内容に対して疑問を持たなかった?
そんなことはないでしょう。おそらく「これでいいのか?」という提言は存在したと思います、いくらなんでもこの内容であれば。
それを無視してしまったのか、言い出せないような空気が在ったのか、あるいは身内へ先んじて「夢オチだから大丈夫」と丸め込んで通したのか。あるいは「これなら納得できる」という内容のものを作り上げることが出来ないまま、シナリオの納期だけ先にきてしまったのか。いろんなパターンが考えられますし、おそらくは複合要因だったはずです。
ただ、もしも「シナリオにケチをつけることがタブー視されるような体制・空気」があったのだとすれば、そこは必ずメスを入れるべきだと思います。
③ これがどうしてもやりたかった?
ドラクエ10でやるべきではなかった、で終わってしまいますね。
④ 運営が想定している以上にユーザーの読解力が低かった?
これは私の持論ですが、「好意的な解釈」を読み手に期待する作家は三流です。
深く考察するのもあっさり読み流すのも、受け取り側の自由であることは大前提。これを後付の解説で縛ろうとしたことこそが、今回最大の失望でした。
しかし逆に言えば、より多くの人間を楽しませるものを目指すことも、狭い範囲の人を唸らせるものを目指すことも、それは発信側の自由です。全員が納得できるものがつくれないことは当たり前、その上でスタッフが一丸となって「これが俺たちのドラクエ10だ!」という意思を全身全霊かけて守り抜いてほしいと思います。
次回のACF、楽しみにしています。