パラディン。
重いよろいを身にまとい、脅威から、弱きものを守る。
僕もパラディンのはしくれだ。
それなりの装備を使い、強い相手を沈めてきた。
パラディンガード。
パラディンの必殺技。自分に怒りを向け、攻撃を一身に受ける。
自身を犠牲にし、他者を守る技。
勇ましく旗を立て、覚悟を決めてのパラディンガード。
なにもそれは、戦闘中のみの技ではない。
ビーチにたたずむオガ子さんに悪い虫がつくことがないようにしたり、
道端でナンパされそうなオガ子さんを守ってあげたり、
あるいは僕がナンパしにいったり、
水着のオガ子さんを凝視したり、
足元で旗を立てたら話をすることが出来るかな、なんて……。
と、とにかく!
世界のオガ子さんを守るために、僕はこの技を使っている。
オガ子さんの為に、僕は旗を立てる。
よく、こんなことを聞かれる。昨日だって聞かれた言葉。
「オガ子のどこが好きなの?」
その言葉を聞くと、まず僕は一笑する。
失礼な話だが、お前は何も分かっていないな、と心の中で確信するのだ。
そして、自信をもってこう返す。
「オガ子、じゃない。オガ子さんだ!!」
間違いを正すことも、時には大事だ。
アストルティアで1番きれいで、可愛く、頼りになる彼女ら種族を、
呼び捨てで呼んではならない。
上の写真は、僕が所属しているチームのリーダーさんだ。
イオリさん。通称エロリン。僕の師匠さんだ。
彼にパラディンガード、もとい、
女の子への話し方を習っている。
彼の指導は、熱く、激しく、そして鋭い。
彼は人間大人の女子を、そして僕はオーガの♀を。
棲み分けがちゃんと出来ているから、争わない。
お互いにエールを送りあうことが出来る。
もちろん、旗を立てずにのんびりとオガ子さん愛でることも当然ある。
いつも闘うわけにもいかないからな。当然だ。
戦士の休息も、時には必要なのだ。
だから、君に一つ言わせていただきたい。
僕にもっと、君を愛でさせて欲しい。
まだまだ足りない。もっと、もっとだ。
エロリンは人間を、レオ君は魚女子を、ライ君はエル子を、
そして僕は、オガ子さんだ。
誰にも、譲るつもりはないっ……!