いずれ先々で語られるのだろうなと思いながら、五大陸をめぐっているとそれぞれの種族の性格が見えて面白い。探求心が強く思い込みも強いドワーフどもは、古代の発掘品をよく理解もせずに使っているが積極的にそれらを活用することもできる。エルフたちは真面目で一途なところがあるが、全体的に頭が固い。ウエーイ族はあんななりで愛情や家族愛にとても厚いし文化や芸術にも優れているが、反面エルフ以上に閉鎖的なところがある。オーガは頑丈で強いせいか頼りになるし献身的、そのせいで町の発展が遅れていたり犠牲的になりがちな欠点もある。ポピンプ(プクリポ)はバランスよく見えることもあるが、享楽的と好奇心が危うくバランスをとっているのはやはりアニマルなのだろう。
このあたりの種族の違いは、エテ公の村の近くで見た石碑に種族の姿と性格が描かれていたことを思い出す。彼ら五つの種族に、古くて強い竜族と、弱くて勇気がある人間を加えた七種族の碑だ。
そのエテ公たちのエテーネ村でマメミムが冥王ネルゲルにころされたとき、種族の神像が並んでいる神殿?らしきところを訪れたが、そのときに七つある台座のふたつが空いていることに首をかしげた記憶がある。どうやらここには人間の神様であるグランゼニスと、竜の神様ナドラガの像が鎮座ましましていたらしいことは分かったのだが、ドラゴンクエスト世界の神様といえばろくでもないものばかりだから今回もそうなのだろうかと邪推してしまう。
たとえば竜の神様は世界で遊んでいたIVのヌスタードラゴンを思い出すし、グランゼニスといえば前作IXで同名の創世神グランゼニスが、世界を滅ぼそうとして娘にいさめられていた。娘の思いも知らず、天使とかいうできそこないまで作ったグランゼニスの話を耳にすればエテマメなら言うだろう。
「ぐらんなんとか おまえが しっぱいさくだ」
そのグランゼニスの神殿が朽ちていたり、ナントカランド(ナドラガンド)に行っても竜の神様が見当たらない理由はいずれ語られるのだと思う。しょせん自分はバージョン3を歩いている最中で、聖都エジャルナの民家にある童話を読んでうさんくささに首を傾げている最中だがエテーネ人のエテマメも童話くらいは読めるようだ。
五大陸に話を戻す。バージョン1のメインストーリーでは五百年前のレイダメテス襲来が大きな出来事になっているが、それぞれの大陸で起きていた、あるいはイベントやクエストで起こる出来事が想像以上にあちこち絡み合っていて、必死こいて記憶をたどりながらこれとあれが繋がるのかと感心させられることが多い。パクレ警部が閉じ込められてメギストリスが建国されるとか序の口だ。
思い出せる限りだが整理してみよう。ポピランドでは五百年前のレイダメテス襲来のすぐあとにフォステイルがメギストリスを建国した。エルトナの最近の歴史はヒメア様と重なるはずだから、五百年前?に世界樹の花が咲いて三百年前の事件があって五十年前にカミハルムイが遷都した。ウェナ諸島では三百年前にバサグランデが暴れたことは覚えているが、ジュレ—島の遺跡にあるヴェリナードの建国はいつのことだったろうか。オガ大陸では五百年前にガミルゴ様の友人ラダ・ガートがガートラントを建国した筈だ。ちなみに聞いた話では、ランガーオ村は五大陸でも最も古くからある集落らしいのだが、この村の村王はメルー公とならぶ今作屈指のイケメンダンディなので、もしも彼がでかいドルバイクとかにまたがっていたらそのまま銀幕の主人公になれると思う。
再び話を戻してドワ大陸。ドワーフに生まれ変わった身としてはどうかと思うのだが、実はウルベア王国とガテリア皇国の位置関係とか栄えた時代すらよく理解していない。ドルワーム王国はいつからあった?防砂ダムってどの国の遺跡?ザグバン丘陵ではいったい何があったの?とかきりがない。天魔クァバルナが封印されたのはいつだったか、これも三百年前だっけ?三百年前もあちこちで事件があったみたいだけど何かあったの?というかクァバルナすげー強かったよね。
つまり何が言いたいかというとクァバルナがやたら強かった記憶があるのだが、どうやらこれは魔法使いでマヒャドを使って本体と羽を同時攻撃していたせいで、羽が落ちた第二形態がべらぼうに強いのが原因だったらしい。後に再戦したときは、こちらのレベルが上がっていたとはいえ呪文をメラゾーマ主体にして本体狙いで攻撃したらけっこう楽に倒せたのでやられたよ!と思ったのは抜群に内緒の話だ。
つまり何が言いたいかというと強さだけを求めてもろくなことはないので、やはりランガーオ村の村王は今作屈指のイケメンダンディだよねということだ。