しばらく他の話題が続いたので、Ver.3.1を振り返るよ!ともだちのアンちゃんたちがさらわれて、アンリシャルパンテロとかいう、かめはめ波を使う男を倒して、空の向こうにあるナントカランドに飛び込んだエテマメだが、扉の向こうは右も左もわからない場所だった。
マイユさんダストンさんともはぐれてしまい、一人落っこちたところは火に包まれた炎の領界。きれいだが目に痛い。火の鳥みたいなのが飛んできて、気を失って目が覚めたのがアペカとかアベベとかいう竜族の村だった。通りすがりの神官エステラさんに助けられたエテマメは、火の鳥を退治して聖都エジャルナに向かうと、閉ざされた五つの領界を繋ぐ「解放者」として試練に挑むことになる。
というのが最低限の概要。
新しく訪れた世界なので、なにしろ情報が多いのだが、気づいたところはたくさんある。まず竜族は基本的にマジメな一方で、とにかく価値観が強さや力に偏っている。戦えもしない楽人が白い目で見られるのに彼が村を救う、ことに違和感を覚えたのだ。
強い者が尊敬されるのは彼らの厳しい環境を見れば当然だ。だが村を救う方法が村に伝わってなくてそれが白い目で見られてるってオカシクナイか。強い者ばかり尊敬するから、弱い者をさげすんでしまうのはわからなくもないが、これだけマジメな竜族が、村の伝承を伝えていないのが奇妙で仕方ない。
聖都エジャルナに行って、この疑問は半ば確信に変わる。教団は五つの領界を繋ぐことで竜族の神様ナドラガを復活させようとしている。ナドラガが復活すれば竜族は救われる。それはいい。だが「ナドラガは6人の悪いヤツら」に喧嘩を売ろうとしている。教団の長オルストフさまの部屋の横にある本棚や、エジャルナのご家庭にある絵本にまで書いてある。つまりナドラガ教団は六大神に喧嘩を売るつもりだ。
とはいえエテマメは六大神をあまり信用していない。七つの神様がいて、人間の神グランゼニスと竜族の神ナドラガの神像がないのがなんでだろとはエテマメが最初にしんだときに思った話だが、(よりにもよって前作IXで世界をほろぼそうとしたのが創造神グランゼニスだし)どの神様がいいとか悪いとかわかんない。
・五大神はアストルティアの五種族を守っている。
・グランゼニスはどこにいるかわかんない。
・ナドラガは五大神&グランゼニスに喧嘩を売るつもりだよ。
いまわかるのはこれくらい。六大神が実は悪いやつとか、七つの神様がぜんぶ迷惑なやつだったとか、いくらでもあり得るからわからないことは気にしない。そして教団はナドラガを復活させるという手段を目的にしているから、復活したナドラガが何をするか考えてるヒトはいないぽい。もちろん教団の上層部は考えているだろうが、誰から誰まで上層部かわからない。そしてこの時点でエテマメが混乱したのが、
・アンテロはナドラガを復活させたい。領界を渡れる。フウラたちをさらった。
・教団はナドラガを復活させたい。領界を繋ごうとしてる。
・ミムメモはアンテロと別の目的ぽいが、アンちゃんたちをさらった。
アンテロと教団の目的が同じなのにアンテロが領界を渡れるのと、アンテロとミムメモの目的が違うぽいのにどちらも人さらいをしてる。考えられるのは「アンテロが実は教団の人間であることを教団の一部の者だけが知っている」だろうか。何か見落としてるようだ。
なのでエテマメは解放者として試練に挑むことにした。なんで?って当然だよね。領界を繋がないとアンちゃんたちを助けに行けないからだ。むつかしいことを考えるのはよいが、ともだちを助けない理由にはならないよ。
そして炎と氷の領界を繋いだエテマメだが、ここまでエテマメ視点で注目人物が二人。
一人は恩人でもあるエステラさん。ナドラガ教団の神官さんだが、なにしろいい人でみんなに慕われている。この人が慕われているのには理由がある。教団の使命とか竜族の未来とかむつかしいことを考えてもいるが、目の前で苦しんでいる人を助けない理由はない。つまりこの人、基本的な価値観がエテマメとそっくりなのだ。
もちろんこの価値観はエテマメの独創ではない。ザンクローネからラスカに託された「英雄はすべてを救う」の精神だから、エテマメは永遠の三番手だ。空の果てのナドガランドにも、こんないい人がいたことをうれしく思いながら、なんならエステラさんには永遠の四番手の称号を与えてもいいと思う。
ちなみに注目のもう一人が領界調査員のモフテカさん。メガネでひょろ高い外見のヒトなのだが、価値観が強さや力に偏っている竜族でこういう役職についているのって、もしかしてすごく優秀な人なのではないだろうか。
あとモフテカという名前はなんかいいと思う。