西暦2021年6月30日19時25分。アトラスバズズベリアルを撃破したエテマメは、いよいよ破壊神シドーに挑む。シドーが世界に訪れるまで、わずか10分のあいだに撃退しなければならない。さあいくぞと勇んだエテマメたち八人の前に流れるメッセージ。
「本日19時30分から緊急メンテナンスです」
残り4分57秒でシドーが黄色に変わったところで、クシが抜けるように仲間が消えて魔勇者までいなくなる。残された4人のしかばねが横たわってエテマメの初シドー挑戦は思わぬ結末に終わったよ!
メンテナンスが明けて、ルームに「へるぷ」と書き込むと、集まってくれた勇士たちと再挑戦するが火力が足りずに時間切れ。いっそAIサポ連れていきましょうと、なゆたさんパーティとナタネさんエテマメパーティで同盟バトルに挑む。こちらの構成は
まもサーシャさん(AI)
デスりくお(AI)
僧侶ナタネさん
魔使エテマメ
これはエテマメがソロで使っているのと同じパーティ構成だから、やりやすいなんてもんじゃない。サーシャさんは安定した高火力と、10分を目安に霊薬をぶつければいい継戦能力の高さが魅力。デスりくおは起動に時間がかかるが、いったん「完成」すると大砲役と反魂で攻守の最終ラインを支えてくれる。そしてナタネさんがAIよりも高速反応するスーパーナタネさんになってるから負ける要素がない。
魔法使いマメミムは「魔法以外のすべての攻撃を避けて」「すべての魔法を反射する」、暴走メラゾーマを打ち込み続ける高機動型の移動砲台スタイルだ。あとは後ろから葉っぱと復活の杖を使って最終ラインをもう一枚厚くする。結果はたまにシドーになぐられたくらいで、ほぼ危なげなく撃破!イベントシーンはおもいで映写機で確認するので、まずはアリガトウゴザイマシタ。
というところで破界篇の感想。
破界篇は偽世界のその後が語られるストーリーなのだが、やはり偽世界は大丈夫だよねと知らされる内容になっている。ラスカがいてクレルが許されたメルサンディ村に、リゼロッタたち立派な住人が治めるセレド、セラフィの人望で統一されたアラハギーロ。アストルティアの町々で、ここよりしっかりしたところはカーラモーラくらいしか思いつかないが、ちなみに破魂の審判ってハーゴンの審判って意味だよね?
「うーっくっくっくっ(ポランパン)」
護りと滅びは本人ではないが本人の一部から造られた存在で、それはすべてではないが一部ではある。この世界を守ろうとして覚醒した魔勇者は、まちがいなくこの世界の勇者になった。彼女自身もマデサゴーラも、それまでの彼女がなぜ覚醒しないのか理解できなかったにちがいない。
そしてマデっさんだ。
芸術家マデサゴーラは、世界が未完成なことを嘆いていた。たぶん彼の性格だと、その後生きていても残りを完成させなかったろーとは思うのだが、滅びとして造られた彼は「だったら壊して完成とする」以外の考え方は許されない。だが魔勇者と同じように、これも彼の中の一部でしかない。
マデサゴーラが望んだことは、女神ルティアナに代わり「世界という作品」の創造主になることだった。未完のまま残された作品を見た彼は、だったら壊すことで芸術品として終わらせようと思ったが、それは魔勇者の言う、へぼ芸術家としての彼の一面だ。彼は大魔王としてはアストルティアを滅ぼすことができなかった。芸術家としては未完の大作を終わらせることができなかった。
だが創造主マデサゴーラは、世界を守る勇者すら存在するレンダーシアを完成させた。未完の部分は完成して、勇者は覚醒した。それを促したのは彼自身で、ファなんとかとかメドなんとかいう選定者のルールを破り、世界に危機をもたらしたのは滅びの手マデサゴーラなのだ。愛に満たされた世界は、脅威に対しても対抗できる世界であることを、マデサゴーラがもたらした脅威に対することで証明してみせた。
「そういえば、シャイニーメロンという創造主の恵みまでもたらしたなんて、さすがワシ(字余り)」
もしも滅びの手ではないマデサゴーラ本人が、破界篇を終えて完成されたレンダーシアを見たとすれば、彼は自分が創造主であることに満足しただろう。よくばりな彼のことだから、もっと他の世界も創りたかったよとわがままくらいは言うかもしれぬ。ルティアナではなく、マデサゴーラが創造したことに、この世界の人々は誇りを持っていい。アストルティアのどの町を見ても、この世界よりもしっかりしたところなんてないのだから。
そして、ジャイラ密林の遺跡を旅する彼女の姿を見れば、彼はいくつかの物語を世界にもたらした存在でもあるのだと知ることができるだろう。