ナドラガ教団の言いたいことはアンダスタンドだが彼らは悪いことをしてる。彼らはそれを承知で、自ら邪悪なる意志と名乗っている。さらわれた神の器たちは各領界のほこらでひどい目に遭っているから助けに行く。ほこらを守るボスはどれも弱っちいので、さっくり倒してみんなを助ける。竜族だと力が弱まるとかで、エテ公の姿になったシンイという男もいる。別にまちがってはいないのだが、力のあるなしではなく来たければ来ればいいと思う。
という流れ。ストーリーが分厚くて3.5後期というより、3.6を進めてるような気分になる。
とにかくあと助けるのはアンちゃんとミムメモだ。入れないはずの大神殿に入れるようになっていて、これは誘われてるよと思わなくもないが、ともだちを助けに行かない選択肢はエテマメにはない。神殿の奥で、教団が何を望んで何をしてきたかがわかる。アンリシャルパンテロの行動や邪悪なる意志や教団の言動にもいちいち合点がいく。
ずっと疑問だった。邪悪なる意志が教団の関係者なのはすぐにわかった。だけど邪悪なる意志は領界を渡ることができるのに、教団は領界を繋ごうとしている。なんで渡れるのに繋ぐの?といえば領界を渡るとか繋ぐとか彼らにはどうでもいいことで、それでナドラガを復活できるかどうかが彼らの行動原理になっている。だが領界を繋ぐとナドラガが復活するという、そのからくりがいまいちわからない。
その答えはこのあとぜんぶわかった。ついでにエテマメがころされた。
しんだのは残念だけど、黒幕の言いぶんは理解したうえで殴り合おうとしてるんだから、返り討ちにあうことだってある。まさかと思っても、やはりと思っても、ひっかかるように策を講じるのはうまいと思う。単純だけど、その方法なら不意打ちできるよと感心したけどそれはまあどうでもいいか。
この世界で「自分」とは魂のことで、ドワマメの体を借りているエテマメの魂は生きていた。あとからやってきたシロウズいわく、魂がなくなってるエテマメはしんで生き返らないらしい。そのちがいはこれまでいくつかの職業イベントで見てきたから、お墓をたてるならドワマメとエテマメと二つ並べたほうがいいのかなーとか考える。
なので自分がしんだことはまあしかたないのだが、ムストの町に運ばれたマメミムのしたいを囲んでみんながしんみりしている中で、ひたすらザオリクを唱え続けているアンちゃんには申し訳なくなってくる。ほんともういいよと言ってあげたくなるのだが、しんでるからエテマメの声は届かない。
アンルシアにすれば、エテマメはトーマ兄さんと同じ「私の勇者さま」なのだ。自分がそれだけ思っていた相手が、二人とも自分を助けようとしてしんじゃうとかたまんないよねと思うとほんと申し訳ないよ。グランゼニスに誓う彼女が剣を掲げたのは、まさしく剣士らしい振る舞いだが、それは兄さんの剣ではなくエテマメとお揃いのマメソードだ。ひどいネーミングだ。アンちゃん仕様のマメソードはヘナトス眠りマヒをかける状態異常剣、エテマメの剣はガード性能重視の剣で、どちらも自慢の性能だったりする。
ちなみに剣士の誓いというなら、同調したヒューザも、こいつのためなら構わねえよと剣を掲げるが、ヒューザ語なら「世話を焼かせるやつだ」と言いそうなところを、こういう場面でそんな冗談は通じないだろう。
エテ公の村でしんだマメミムがなぜか蘇ったのはともかく、ネルゲルにころされるはずだったマメミムはドワマメに助けてもらった。ナドラガンドでは、たぶんしんでたところをエステラさんに何度も助けてもらった。今度もまた、わりとどうしようもなくしんでいたところをみんなに助けてもらった。悲しい思いをさせたのは申し訳ないが、助けてもらったならありがとうというべきだ。
ありがとうと言ったなら、今度はさらわれたエステラさんを助けに行こう。邪悪なる意志はエステラさんに言っていた。お前のやり方で救ってみせろと。目の前の人を助けない理由がないから、エステラさんは誰をも助けようとするし、それはエテマメも変わらない。彼女を助けに行かない選択肢は、やっぱりエテマメにはない。
ついてくることができないアンちゃんたちは、さぞかしくやしいだろうなあと思う。でもみんなに助けてもらったお返しではない。目の前でしんでいるエテマメをみんなが助けてくれたように、いま戦えるのがエテマメなら、それができる人がやればいいだけだ。こんなものに貸しも借りもない。
無理だったら無理と言うよ。だめだったらだめと言うよ。
でも神様を殴りたおせると思ったら、殴りたおすと言うよ。だからエステラさんを助けて、復活するぽいナドラガ神を殴りたおしに神墟ナントカグラムとやらに行こう。