サブクエストはもちろん、なるべく設定や会話を漏らさず確認したいのがマメミムの「攻略」だ。盟友カミルの名誉回復とか最たるものだけど、アルゴンハートの逸話がここに繋がるの!?とかVer4では時を超えた物語のありかを知らされる。
古代オルセコ王国へ。
オーグリードに封印された悪鬼ゾンガロンを黒いパパスが解き放ち、倒す方法を1300年前のオルセコ王国に探しに行く。マメミムが最近育てているはやぶさ会心バトマスはミレニアさん日誌と井上和彦声のファラスの影響だけど、かっこいいものに影響を受けるのは構わない。
イケメンで胸板が厚い美丈夫ギルガランと、小柄で線が細い美少年グリエの兄弟は、ゾンガロンの脅威と鬼人化した隣国ドランドの襲撃にさらされる中でそれぞれが立派な王子として振舞っていた。体の弱いグリエへの、先代の王の扱いは失策だと思うけど、王妃が亡くなった事情を思えば酌量の余地はある。
ギルガランはグリエの聡明さに王の資質を見たし、グリエはギルガランの内に秘めた優しさに王の資質を見た。ちょっとギルガランの性格がツンデレにすぎるけど、彼らは互いを認めていたし最善の方法で国を守ろうとした。だからオルセコを訪れたマメミムは、何の心配もなく彼らが国を救おうとするのを見届けるだけだった。
このひとたちすげー優れた精神文化を持ってるよ!?
マメミムがオルセコの民に抱いた感想だ。エテ王国の民は野蛮人だった。古グランゼドーラの民はみんな一所懸命だった。オルセコの民はオーガがすぐれた肉体よりも、すぐれた精神を持つ存在であることを見せてくれた。鬼人化したドランドの民でさえ、家族への思いを忘れないオーガの精神を残していた。ゾンガロンを封じる方法は、勇壮なほどに高潔なオーガの精神を体現するものだった。
歴史は変わったけど変わらなかった。
したり顔で修正力がどうのというキュルルは、時間と歴史のなんたるかをやっぱり理解していない。未来を変える者は未来を変えようとかつまんないことを考えない。ギルガランはオーガの民を救おうとした。グリエはギルガランを守ろうとした。それが未来すら変える力を持つことを、キュルルは認めることができないからてきとーないいわけをぶっこいてる。どうせたいしたことは言ってないから聞き流す。
それで獅子門に踊り子のテントがあるのか!と考える。職業クエストさえも、うっかりすると何を見落とすかしれないから会話のひとつも逃せない。歴史が、未来がちょっぴりよいものに変わってる。ギルガランとグリエが遺したものを、オーグリードのあちこちで見ることができる。グレン城での、あまりにも勇ましい戦いを思い出す。喪心の獣とかびっくりするほど弱っちい存在だった。
時渡りを経た三人はこの戦いを見ていたのだろうかと思う。時を超えたメレアーデは、助けにきたファラスは、空から見下ろしてた黒いパパスはどうだったか。このときのバグド王たちの姿こそ、古代エテーネの野蛮人に欠けているものだということを、たぶん彼らは気づかない。
伝えること。学ぶこと。己がなすべきことをなすこと。
それをひとを助ける力にすること。
自分を助けるものを信じること。
歴史は変わったけれど、グリエの歴史でもオーグリードは守られたしギルガランの歴史でもオーグリードは守られた。彼ら兄弟が、二人とも偉大な王にふさわしいという点ではなにも変わらなかった。時間とか歴史なんてものは、彼らの意志と行為に対するたんなる結果でしかない。予知とか時渡りとかなんの意味もない能力だよ?そのことにさえ気がつけば、ものごとはもっとかんたんだ。
現代に戻る。
グランゼドーラを襲ったのは自分の叔父だと言い放つメレアーデは、グランゼドーラの申し出を断ってエテむらを見に行くとか言い出した。アンちゃんやルシェンダさんは公人として振る舞えるひとだから、たぶんマメミムに免じて彼女の無礼を許しているのだろう。放置してたエテむらに行く理由はないけど、行かないとシナリオが進まないから!しかたない。やっぱりエテはどこかずれている。
戦いの舞は廃れなかった。破邪舟が潰えなかったことを思い出して、歴史も未来もふつうに変えられることをグレンで確かめる。科学考証とかいう「フィクション」なんて気にしても意味がない。
変わらないものがある。オーガはすぐれた肉体よりも、すぐれた精神を持つ存在だ。グリエは聡明な王であり、ギルガランは優しき王だった。自分たちがすぐれた肉体を持つからこそ、単なる強さよりも尊いものがあることを彼らは知っていた。オーガの歴史はランガーオを生む。グリエの歴史でも、ギルガランの歴史でも、彼らの精神は村王クリフゲーンに継承されている。
歴史や未来が変わっても、たいせつなものが変わることなんてない。