はじめてフレになった彼女がレグナードに立ちはだかった背中を覚えてる。もしもオリジンというものがあるのなら、マメミムのそれはたぶんレグナードに立ちはだかるパラディンの後ろ姿だろう。およそ三年くらい前のこと。
パラディンに必要なものは3つある。
敵を抑えるおもさとだいぼうぎょで耐えるみのまもり、もうひとつはなかまを信じて自分を信じる勇気。べつにキレイゴトを言ってるつもりはない。すこしずつおもさとみのまもりを積んで、レギロ骨犬や雷ごりらを止められるようになっていよいよ天星郷で女神の木にたどりつく。当時ありえなかったつよさV押し勝ちパラディンにたどりつく。
とはいえさすがにパラディン戦法でサポ討伐をする気になれず、シルルさんにおこえがけをいただくまでつよさVへの挑戦は棚上げになっていた。攻略するならどんな構成がよいかと、旧来の魔戦魔使魔使よりも海賊海賊僧侶かなあということになる。なにしろ雷撃を防げなくなったから、弓魔戦でポンブレイクにこだわるよりも単純火力が上がるダブル海賊がてっとりばやそうだ。きュワさんとコオさんに海賊を、シルルさんに僧侶をお願いするけど、シルルさんがパラディンやってもいいですよといったのは半分冗談でもう半分はこの構成、じつのところ僧侶がいちばん難儀だからだったりする。
パラディンの役割は変わらない。竜の咆哮の射程距離30mにレグナードをとどめることと、エンド攻撃を耐えること。海賊の役割は息をあわせて最大効率で大砲を撃ちつづけること。では僧侶がすべきはなにかといえば回復でも蘇生でもバフでもない。パラディンや海賊が役割を続けられるように、できることを臨機応変に駆使することだ。全員レグナード未討伐。つまり無限の可能性を秘めた戦士たちがのびしろしかない状態で神話世界の竜に挑む(厨二的表現)。
ひと飯勝負でなんべんか、今日はここまでにしといたるを繰り返しての再戦。
なにしろ開幕がこわいから、パラディンはまっすぐ突進して不動のかまえ。前進するレグナードを止める。押し返しながらパラディンガード!無敵のうちに30mを稼ごうという浅はかなマメミムは、パラディンにはひっさつ技など必要ないという基本中の基本を失念する。
>いてつくはどう
>はげしいおたけび
>はげしいおたけび
怒りっぽいくせに判断力は高いレグナード。目の前にいるあほうの無敵をはがすついでにふっとび耐性も消えたところにおたけびをぶちかます。ぶざまな物体が連発されたおたけびでとどめをさされると、開幕数分もたたぬうちに最大のピンチ到来だ。これではチンパンならぬ戦犯だ。
すかさず僧侶が蘇生してくれて、壁に立ってくれていたところに追いついて入れ替わる。あとはまかせておきなと気をとりなおしてレグナードを押し返す。ぎりぎりまで粘ると通常攻撃に間に合わないから0.5歩はやめにだいぼうぎょ。次行動を確認して大技だったらだいぼうぎょを貼り直す。歩きはじめたら解除をして押し返す。欲をかかず確実に攻撃を防ぐことを優先する。調子こいて一気に30m稼ごうとか浅はかな考えがろくな結果を生まぬことは学習した。
まだ押し切れないうちに雷撃が落ちて後ろが一気にかいめつする。どうぐ使いがいないから、雷耐性で防いだところで感電に巻き込むだけだから僧侶が天使でしのいで立て直す。いったん押し返せば雷もパラディンにしか落ちなくなるから、景気よく大砲さんが火を吹いてダメージの数字が踊りだす。残り12分くらいでHP半減、序盤の立て直しがあってこれなら火力は十分だ。
竜の咆哮。
スタンしたのはパラディンだけで、つまり海賊も僧侶も離れて戦ってくれてることがわかる。パラディンが背後を見る余裕はほとんどないから、レグナードを止める以外のことはなかまを信じるしかない。海賊の火力は十分、僧侶は立て直しをしてくれる。あとはパラディンのしごとをまっとうするだけだ。
順調に削って終盤残り3分くらい。咆哮と雷とマグマの連発でだいぶ崩されかけるけど、それまでに積んだダメージがあるからパラディンは落ち着いてレグナードを砲火の前に押しとどめるだけだ。新しいことはしない。これまで続けてきたことを最後まで続ければ勝てると思いながら、なんども落ちてくる雷をだいぼうぎょで受け流す。レグナードの動きがとぎれたと思った数瞬遅れて巨体が地面に横たわる。
「おおおおおお」
ミスひとつない勝利にはほどとおい。パラディンがみんなを守るだけでいい勝利も必要ない。きュワさんとコオさんが火力をあげながら戦況をコントロールしてくれて、シルルさんが臨機応変にピンチをしのいでくれた末の勝利だからこそありがたい。これがマメミムなりのパラディンの姿でいいと思う。
記念すべき初勝利。ありがとうございました!