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とある占い師はかく語りき(スマートフォンでも閲覧可能です。)
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アストルティアの闇04からの続きです。
話がかなりそれましたが、結局のところ私はAさんのことをどう導けば良いのでしょうか。説教っぽくなってしまいますが、おつきあいいただければと思います。
それは、Aさんに自分のしたことの重大さを認識させることです。別れとは、覆水盆に返らずなのです。
<覆水盆に返らずとは 出典「拾遺記」>
太公望(呂尚)が周に仕官する前、ある女と結婚したが太公望は仕事もせずに本ばかり読んでいたので離縁された。太公望が周から斉に封ぜられ、顕位に上ると女は太公望に復縁を申し出た。太公望は盆の上に水の入った器を持ってきて、器の水を床にこぼして、「この水を盆の上に戻してみよ。」と言った。女はやってみたが当然出来なかった。太公望はそれを見て、「一度こぼれた水は二度と盆の上に戻る事は無い。それと同じように私とお前との間も元に戻る事はありえないのだ。」と復縁を断った
さらに自分から別れておいて、元に戻りたいと考えること自体がおこがましいのです。別れた後に、別れた人のことを考えてはいけません。もう終わったことなのです。
頭では理解できているけれども、気持ちがそうならないというのも少しわかります。それならば、あえてAさんに聞きましょう。なぜ別れたのですか。ほんとうにBさんが原因なのですか。結局、あなたの気持ちの問題ではないのですか。
ならば、あなた自身で解決できる問題でしょう。瞬間的に別れたいと思っても、ぐっとこらえることが必要だと思わないのですか。あなたはこれから先、ずっと同じ失敗を繰り返しますよ。
と、Aさんに言えればどれだけ良かったかと思います。私の口の先まで出かかっていました。
しかし、私はたかだか占い師です。本人の目の前でここまでいうことはできません。だれかが言わなければならないのです。そうしなければ、Aさんは同じ失敗を繰り返すことになるからです。それはBさんにとっても迷惑な話ですし、私にとっても迷惑な話です。
さすがにここまではっきり言える人は、Aさんの親か親友ぐらいです。だから、私は占い師としてAさんに言えることは限られています。それは、占いの結果を伝えることだけです。
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気持ちはわかりますが、やり直すのは難しいと思います。元の人とやり直すよりも新しい人を探しませんか。別れるときは、すこし時間をおいて考えてから別れた方がいいですね。
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アストルティアの闇06に続く