タロット展では、タロットの画像がどうしても必要なので、冒険日誌の方では十分楽しめないものとなります。一応冒険日誌も更新しますが、可能なかぎり「とある占い師はかく語りき」の方で閲覧することをオススメします。
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タロットの画像一覧
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私は、このカードがなぜ愚者という名前がついているのか未だに理解できていません。このカードが出た人は決して「愚かな者」ではないからです。
このカードが表している状態が、人が生まれたばかりの状態だとすれば、何を知らない状態であるのは当然です。そして、これから様々な出来事を体験し、様々な知恵を身につけるのです。愚者は、生命の誕生、0からスタートを示します。
ですから、すべての始まりを指す縁起のいいカードです。つまり0からのスタートであり、愚者になるかどうかはこの後の行い次第で決まります。愚者の対極にあるカードは隠者です。隠者というのは、すべてを知り尽くした上で立ち振る舞う者、まさに賢者というカードです。それに習って、私は、このカードを愚者でなくて明者ととらえています。
カードをみていただければわかると思いますが、カードの色使いが全体的に黄色となっています。そして空は雲ひとつもなく、太陽が輝いているカードです。隠れるところもない、まさに自由なのです。
一方でカードの下には崖が描かれています。この絵の若者はそのまま下を見ず前に踏み出して、踏み外してしまいそうな様子が描かれています。このまま踏み外してしまえば、まさに愚者です。自由というのは、常に危険も伴います。それをきちんとくぐり抜けることが必要となります。このカードの右下には白い犬がいます。白い犬は、この「若者」にこの先は危険だと吠えて警告をしているように見えます。もしこの若者が愚者ではなければ、この白い犬の警告を聞き入れ、足を止めることでしょう。つまり、愚者のカードには、他者のいうことにも耳を傾けなさいという暗示も含まれています。
さて、この白い犬はだれなのでしょうか。もし、この若者を生まれたばかりの赤ちゃんだと仮定するならば、親になるでしょう。この若者が青年ならば、あなたにアドバイスをくれるような人を想定するのが普通です。犬というのは人間に忠実な生き物として認識されています。つまり、あなたに忠告してくれる白い犬はただの他人ではなく、あなたに近しい人です。
このカードは、0からのスタート、束縛された状態からの解放など示すことが多いカードです。このカードは、自由であるという表面的な意味と、それの裏返しでアドバイスをしてくれる人を大事にしなさい、という暗示を含んでいます。
もし、あなたが占いを受けていて、その占い師があなたの信頼における占い師で、さらにその占い師があなたに耳が痛い言葉を投げかけたとしたら、それは白い犬の警告、すなわちアドバイスですので大事にしていただけると助かります。