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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2013-10-12 04:59:41.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~暗黒大樹の守り人(4)【配信クエ ネタバレ有】

 激戦を物陰からうかがっていたハッパは、少々気押された表情でおずおずと顔をだした。ハネツキ博士も一緒だ。
 聖地に生い茂る樹々。暗黒大樹とは対照的な純白の白樺が、まばゆい光を放っている。博士によれば、世界樹を取り込んだ魔障を取り除くには、聖地の光の力が必要なのだという。
 だが、そのためには暗黒大樹の、すなわち魔障の中心へと立ち入らねばならない。
 聖地の力を蓄え、かつ魔障にまみれた暗黒大樹に触れる。それはエルフであり、魔障の子でもあるハッパだけにできる仕事だ。
 ハッパがそれに志願した時には、さすがのハネツキ博士も動揺を隠せなかった。だがハッパの決意は固い。
 自分はエルフの仲間なのか、暗黒大樹の番人の仲間なのか。己自身の在り方に迷っていた彼にとって、それは命を懸ける価値のある仕事だったらしい。

 命を懸けるだけならば、実は容易い。だが、それが命を懸けるに値するものかどうか、迷い始めれば全てに臆病になる。彼はそれを見つけたのならば、幼くとも勇気ある少年になったのだ。
 ならば止めることはできない。ヴェリナードの魔法戦士として、勇気ある男の挑戦を見届けよう。私はそう言った。
 一瞬、恨めしそうな表情でハネツキ博士が私を睨んだ。そんなところが、嫌いになれない女性だと思う。
 彼女もやがて諦めたらしく、少年の手をしっかりと握って頷いた。
 儀式が終わると光の糸がハッパの体に絡みつき、その内側へと吸い込まれていった。これで、準備は整った。  再び暗黒大樹のふもと。
 闇にまみれた太い幹から、汚れの魔障があふれ出る。
 ハッパがこれを沈めるまで、護衛を務めるのが私の役目だ。
 魔障より飛び出した魔障竜が巨大な顎で襲い掛かる。が、アラグネとの戦いに比べれば容易いものだ。ほどなくして私の方のケリはついた。
 あとはハッパの闘いを見届けるまで。
 魔障の懐へと、少年は飛び込む。ハネツキ博士もじっとそれを見つめている。並の女性ならば、ハッパの名をわめき叫んでいるところだろう。だが、彼女は努めて冷静にハッパの闘いを見守っていた。
 博士のことを姉と呼んだ少年。それを当然のように受け入れた彼女。二人の間に言葉は不要だった。
 やがて苦悶のうめき声が聞こえてくる。ハネツキ博士の方がピクリと震えた。
 が、次の瞬間、風が水面を撃つように少年の声から痛みが消え飛んだ。
 温かい、と、少年は言った。
 暗黒大樹の正体は世界樹。ならばその本質は癒しだ。
 魔障を乗り越え、大樹のふところまで辿り着いた少年を、世界樹が優しく包み込んだのか。
 そして少年もまた世界樹を癒す。小さな手のひらが真っ黒に染まった大樹を洗い清める。再び闇を受け入れるために、荒んだ枝葉を、濁った樹液を浄化していく。
 人が生きる場所には必ず、生きるための痛みが、生活の垢が、汚れ、膿が現れる。それをふき取るために包帯代わりになって人々を癒すものがいる。
 だが、やがて癒し手自身がその膿に冒され病んでいく時、誰かがそれを洗い流さねばならない。
 ハッパはその役目を果たそうというのだ。
 暗黒大樹の守り人。ハネツキ博士がそうつぶやいた。  無事役目をはたして生還したハッパだが、カミハルムイには戻らず、暗黒大樹と聖地を往復して大樹を癒し続ける道を選んだ。
 兵士たちに聞いたところによれば、別れを告げるハッパを、ハネツキ博士は無言で抱きしめたという。私がその場に居合わせなかったのが非常に残念だ。
 ニコロイ王は大樹の番人と和解し、今後のことについても話し合ったらしい。
 ハッパはたまにカミハルムイにもおとずれ、ハネツキ博士を喜ばせているという。

 こうして一つの脅威が王都から去り、桜は青空に舞った。
 だが、これで終わりではない。
 もう一つの脅威は、いまだエルトナにとどまり、アストルティア全土を揺るがしている。
 災厄の王との戦い。
 ロディアからの報せが私の元に届いた。
 決戦の日は、もう遠くないようだ。
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