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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2014-01-23 22:18:19.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~番外編・後日談

 キィコ、コキィコ、手回しミシンがせわしく回る。絹を広げる音が涼やかに響き、布を断つハサミはリズミカルに歌う。肝心かなめの部分は手縫い。きらりと光る裁縫針に、真剣な視線を注ぐ裁縫師たちの瞳。
 ここはジュレット裁縫ギルド。マスター・ユービアのお膝元である。
 日々の納品依頼をこなすため、今日もここを訪れた私だが、針を持つ手が妙に重い。理由は分かり切っていた。
 針を誤り、布が歪むあの感触、糸をほぐそうとして他の場所まで悪化する泥沼。4連続でカーペット作りに失敗した記憶が抜けきっていないのだ。
 マスター・ユービアは何も言わない。優しげな瞳で裁縫師たちが自ら学ぶのを根気強く待ち続けるのが彼のやり方だ。
 要は自分で立ち直るしかないわけだ。
 まとわりつく記憶を振り払い、針を手にする。とりあえずはいつもの納品依頼だ。手間取る仕事ではない。

「あのね、ミラージュ」

 と、後ろから声をかけてきたのはエルフのリルリラ。
 針を持っている時に声をかけるんじゃあない。危ないだろう。

「この前の推理さ、もうちょっと続けていい?」

 ……まだ何かあるのか?
 まあいい。毒食わば皿まで。好きにやってくれ。

「追加推理。初めて家具を作ろうとしたミラージュは、バザーでレシピを探した。でしょ?」

 正解だ。とりあえずもの探しの基本はバザーだからな。

「で、買ったレシピの中身を見て、驚いた」

 その通り。
 どれもこれも結晶を大量に使う高級品ばかり。家具がこんなにも高価なものだとは知らなかった。

「その中に比較的安いレシピがあって、ミラージュは飛びついた!」

 そう、数万単位の素材を使う家具の中にあって、いかにも高級そうな水晶のカーペットの原価は数千程度。これくらいの値段ならば私でも手が出せる。……と、思ったのだが……

「でも、それは大きなミステイク」

 ちっちっち、と指を振るリルリラ。

「実は素材が安い代わりに難易度が高かった、と」

 まあ、そういうわけだ。
 私も学ばせてもらった。うまい話には裏があるという教訓だな、これは。

「……もう一つぐらい、学んでもいいんじゃないかな~」

 む? どういうことだ?
 リルリラは呆れたような、からかうような微妙な笑みを浮かべている。

「ミラージュ、手を出して」

 手? 何だ急に……

「いいから、はい、これ!」

 言われるがままに差し出した手に、彼女は何かを握らせた。
 それは一冊の薄い本。表題は……「豪華なラグの作り方」……?

「あのね、ミラージュ」

 ピンと指を立てるエルフ。

「レシピはギルドで買うんだよ」

 なん……だと……?
 私の顔に驚愕の表情が浮かんだ。

「バザーに売ってるのは上級者向けのレアもの。初心者用はこっち」

 ちょんちょん、とレシピをつつく。
 ひらひらとページをめくり中身を確かめてみたが、なるほど。確かに大成功にこだわらなければ、私でも簡単に作れそうだ。
 そうか……そういうことだったのか。
 道理で難しいレシピばかりだと思った……。 

「ミラージュって、どっか抜けてるよね……」

 大きなため息。 
 むう……ぐうの音も出ない。

「と、いうわけでミラージュ」

 今度は裁縫針を私の手に握らせ、きらりとウインクを飛ばす。

「新築祝い、作ろうか!」

 作らいでか!
 数分後、私の手に緑のラグが握られていたのだった。  早速やってきたさこ殿の家には、既に他メンバーの作った家具がいくつか並んでおり、さながらメンバーの工作品展示会場といった趣である。
 とりあえず私はベッドの下にラグを敷いてみた。
 ピンクのベッドにグリーンのラグが合うかどうか少々不安だったが、そこまで違和感はない、と思う。

「とりあえず、これで格好はついた?」

 リルリラがくすくす笑う。
 さて、どうかな。私は腕組みだ。
 初心者向けの家具をようやく一つ作っただけ、しかも大成功でもない通常品とくれば、まあ、格好よくはないだろう。

「分相応、でしょ」

 と、いうことだな。
 だがこれで万事終わりというのも芸がない。
 私はジュレットに戻ると再び針を手にした。
 今すぐ何をしようというつもりは無いが、いつかまた贈答の機会が訪れた時、自信をもって水晶のカーペットに挑戦できるよう、腕を磨いてみるとしよう。
 とりあえずは、安物の装備で大成功品を狙って作れるようになるのが目標だ。
 昨日までとは違う表情でグローブを縫う私の顔を見て、マスターが唇の端を持ち上げた。きっと彼は、こんなシーンを何度も見てきたのだろう。

 キィコ、コキィコ、手回しミシンがせわしく回る。
 ここはジュレット裁縫ギルド。マスター・ユービアのお膝元である。
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