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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2020-04-14 00:58:49.0 テーマ:その他

ネクロデア探訪(1)~なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

「ううむ……」

 私はあごに手を当て、その光景を覗き込んでいた。  私の目の前に、二つの仮面がある。
 灰まみれの門に張り付けられたその仮面は病的なまでに白く、顔面に穿たれた風穴の様な二つの瞳は、あらゆるものを吸い込む闇の色に染まっていた。
 風に揺らめく燭台がそれを真下から照らす。
 灰の中に青白い顔が浮かび上がり、来訪者に虚ろな視線を投げかける。生温かい風が門の間を抜き抜けると、苦悶の声にも似た音が街道に響き渡った。

「ふむ……」

 私は腕を組んだ。

「これは、アレだな」

 猫魔道のニャルベルトも杖を鳴らす。

「アレだニャ」

 妖精のリルリラも、空中に頬杖をつく。

「アレだねえ」

 我々は互いに見つめ合い、頷きあうのであった。

 * * *

 私の名はミラージュ。ヴェリナードの密偵として、仲間と共に魔界情勢の調査を行っている。
 閉鎖された関所に代わるファラザードへの入国ルートを探し、我々はここにたどりついた。死せる国、ネクロデアに。
 廃墟と化した街の門には、不気味な仮面。
 我々は半開きになった蒼白の唇をまじまじと見つめ、唾をごくりと飲み込んだ。

「……喋るかニャ」

 ニャルベルトがぐっと顔を近づける。一瞬、仮面がピクリと揺れたように見えた。

「これは喋るね」

 リルリラが両手をわきわきと握った。

「間違いなく喋るな」

 私は断言した。特に根拠はない。
 仮面はまた震えたようだ。

「やっぱ台詞は"ひきかえせ"だよね」
「定番だな」

 またも三人、頷き合う。冒険者と不気味な仮面。これはお約束という奴だ。
 我々は仮面を取り囲み、今か今かとその時を待ち続けた。
 火が揺れる。仮面の影が少し歪めんだ。

「………」

 風の音が仮面の口元を通り過ぎた。

「ひ……」
「おっ、来たニャ!」

 猫が跳びつく。

「ひ……」

 妖精も飛び寄る。

「ひ……」

 私も耳を近づける。
 ……そして激しい風が仮面をカタカタと揺らし、ついにその瞳に青白い炎が宿った。

「……ひどいだろお前ら!」 「そんな風に待たれたらやりづらいってわかるだろ! だいたい持ちネタを先に言われたこっちの気分も考えろよ!」

 憤怒の形相を露わにした仮面は矢継ぎ早にまくしたてた。
 もう片方の仮面も同じく唾を飛ばす。

「そうだ! わかってても知らないフリして驚くぐらいの気づかいは必要だろ!」

 どうやらマナーがなっていなかったらしい。我々は丁重に謝罪し、門を通ることにした。

「あ、ちなみに」

 と、私は振り返り尋ねた。

「この付近にファラザード方面に抜ける通路があると聞いたんだが……」
「情報収集すんな! さっさと行け!」

 どうやら機嫌を損ねたらしい。我々はそそくさと門を離れ、旧市街地へと向かった。
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