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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2020-09-25 22:08:19.0 2020-10-02 18:49:28.0テーマ:その他

彼方からの客人(3)~なりきり冒険日誌【ver5.2に関する記述有り】

 ジュレットの町に砲声が鳴り響く。鬨の声といくさ風。防衛軍に参加した冒険者達の戦いぶりを遠くから見守りつつ、私は戦場全体に視線を走らせていた。
 後方支援というと楽な仕事に見えるかもしれないが、そうでもない。冒険者達が心置きなく戦えるよう、これでもかなり気を遣っているのだ。
 兵団以外のモンスターの乱入を阻止し、住民に危害が及ばぬよう防備を固め、物資の供給に奔走する。
 うっかり避難警告を聞き逃した、間の抜けた住民を保護するのも我々の仕事だ。
 だからこの日、砂浜にぽつりと紛れ込んだ細いシルエットを見た時、私は即座に戦場に飛び出したのである。

「危険だ! 退避しろ!」

 私はその男に呼びかけた。学者風のコートを纏ったその男は、聞こえているのかいないのか、きょろきょろと周囲を見渡し、首を傾げていた。

「おい、危険だと言って……!」

 丁度その時、海岸に新たな敵影が出現した。コードネーム・バナゴル。骨の甲冑を纏った巨大な魔物である。
 私は舌打ちし、走りながら矢をつがえる。本来、支援部隊の交戦は禁止されているがこの際、止むをえまい。理力を帯びた矢が淡く発光する。
 だが……
 揺れる視界の中で、私は奇妙なものを見た。 

「……!?」

 学者風の男は悲鳴を上げるでも腰を抜かすでもなく、まして一目散に逃げだすでもなく、ただ無感動に、その魔物をじっと見つめていた。
 魔物が威嚇の雄叫びと共に腕を振り上げる。白砂が渦を巻く。
 男は無言のまま、何らかの印を組むように手首を動かした。
 その刹那……

「どけっ!!」

 怒号と共に一人の冒険者がバナゴルに槍の一撃を突き入れた。
 続いて、巨大な火球が浜辺に降り注ぎ、砂をガラスに変える。冒険者達が敵の増援に気づき、駆け付けたのだ。
 男はさすがに驚いた様子で一歩下がった。少し遅れて追いついた私は矢を捨て、そのまま男の背を掴んだ。

「こっちだ! 来い!」

 男は言われるままに桟橋まで下がった。もっとも、ここも戦地。安全とは言いがたい。
 私は戦場と化したジュレット下層を見渡した。安全な上層まで、民間人を連れて突っ切るのは危険すぎる。ならば……

「君、泳げるか?」
「えっ?」

 男は戸惑ったようだ。その顔には耳ヒレがついていた。

「聞くまでもなかったな」

 私は彼の腕を引きながら、桟橋から飛び降りた。短い悲鳴と共に彼は水中に没した。
 これまでの記録によれば、ジュレット防衛戦で水中戦が展開されたことはない。

「ここなら安全だ! しばらく隠れていてくれ!」

 桟橋の下に誘導する。海のブルーが戦火を遠ざける。ウェディにとって、これほど安全な隠れ家もないだろう。
 男は無言で従った。私は時折海面に顔を出し、戦況を窺う。どうやら主戦場は海岸から遠ざかっているようだ。

「よし……恐らくもう大丈夫だ」

 ……だがそれにしても返事が無い。よほど無口なのか、恐怖で身がすくんでいるのか?
 私は振り返る。
 そこには手足をばたつかせ、必死の形相を浮かべた男の顔があった。

 *

「本当にすまない」

 私は深々と頭を下げた。
 ここはジュレットの酒場。戦いが終わり、勝利を祝う防衛隊士達の陰で、私は救助した男性に謝罪していた。
「いや、いいんだ」

 男は顔に張り付いた長髪をかきわけながら苦笑した。リルリラがタオルを差し出す。

「ウェディでも泳げない人っているんだ?」
「泳げないわけじゃないけど……少し慌ててしまったんだよ」

 白い布で髪をぬぐうと、濡れた髪の影から優しげな瞳が現れ、リルリラに笑みを返す。エルフは飛び退くように離れ、何故か私の陰に隠れた。
 首をかしげる私の耳元に、彼女は背伸びして囁く。

「水も滴るいい男、だね」

 冗談めかしてそう言ったリルリラの頬がかすかに赤らんでいるのを私は見逃さなかった。
 私は男の顔をまじまじと見つめる。きめ細かい灰褐色の髪に、細面の整った顔立ち。育ちの良さそうな柔和な表情。成程、絵にかいたような優男という印象だ。濡れた前髪が奇妙な色気を醸し出す。
 男は身体についた水を払うと、差し出された温かい茶を口に含む。その所作にもどこか気品が感じられた。

「知らずに紛れ込んだ僕も悪かったよ。旅の身でこのあたりの事情に詳しくないんだ。助けてくれて、むしろ感謝してる」

 彼は爽やかに微笑んだ。
 奇妙な男だった。普通、戦いに巻き込まれた民間人は少なからず恐怖を抱く。だが彼の立ち居振る舞いには動揺はあっても恐怖は感じられなかった。
 私は彼が魔物に対して印を組もうとしたことを思い出した。
 一体どういう男だ? 私は彼に興味を抱いた。

 謝罪を兼ねて食事に誘うと、彼は快くそれに応じた。リルリラもついてきた。
 男は、シリルと名乗った。 (続く)
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