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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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ミラージュの冒険日誌

2020-10-05 23:18:53.0 テーマ:その他

彼方からの客人(7)~なりきり冒険日誌【ver5.2に関する記述有り】

 傾き沈む日と共に、シリルの顔に影が下りた。気まずい沈黙が続く。

「……ま、いつかは王子も、そう思う日がくるかもしれんな」

 私はあいまいに言葉を返した。王の背負う重荷、痛み。王子がそれを本当の意味で知るのは、まだ先の事だろう。

「その時は、逃げるのかな」

 シリルの瞳は、どこか後ろめたさを感じさせる鈍い色に染まっていた。
 リルリラはうーん、と唸りながらシリルを見上げた。

「思ったとしても、逃げられないでしょ? 立場とか色々あるし……」
「立場か」

 シリルの顔が更に曇った。

「……立場に縛られて好きなように生きられない人生に、意味はあるのかな」

 彼は呟き、また遠くを見つめる目つきになった。
 だから、隣にいるエルフがアーモンド型に瞳をとがらせたことには気付かなかった。
 リルリラは呟くように、ぽつりと言葉を吐き出した。

「……私の人生は、無意味じゃないよ」
「……?」  シリルの瞳が彼方から帰ってくるのと、私が彼女の頭に触れたのは同時だった。

「助かってる」

 エルフの長耳をかすめるように、私はリルリラの後ろ髪をそっと撫でた。リルリラの小さな頭が傾き、私の掌に体重を預けた。
 シリルには知る由もないことだが、僧侶としての人生は彼女の本意ではなかった。子供時代の夢。代々神官の家系。色々あったのだ。
 青年学者とエルフの間を潮風が通り抜けた。海は近い。

「ま、話を戻すが……王子自らが選んだ道だ。後悔はないだろう。それに……」
「それに?」
「王子はずっと陛下のことを見てきたからな。憧れは人一倍強いんだろう。多分、それが原動力だ」
「……ヴェリナードの、女王……」

 シリルは沈思黙考した。
 太陽は海の彼方に沈み、シェルブリッジは月光の色に染まっていた。 (続く)
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