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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2020-10-31 15:00:04.0 テーマ:その他

カオスの国の魔法戦士(3)~なりきり冒険日誌【※ver5.2に関する記述有り】

 爆音。地響きと共に瓦礫が崩れ落ちた。炎が舞えば、人々の影が漆黒の巨人のように長く伸び、城壁を舞踏会場に変える。彩るのは鉄と血。剣戟の音が響き、断末魔の叫びがこだまする。

「何だ、これは……」

 私は呆然と立ち尽くしていた。
 要塞都市バルディスタ。そのいかめしい城門を潜った我々を出迎えたのは、鋼と鋼が打ち合う音。飛び散る火花。威圧的な怒号と耳をつんざく悲鳴、そして逃げ惑う人々の無数の足音だった。
 中央広場はまるで戦場だ。
 リザードマンがサーベルを振るえば、デビルアーマーが盾を突き出して迎え撃つ。
 ライノソルジャーの斧が轟音を上げて周囲を薙ぎ払い、鍔迫り合いを続ける黒鎧の兵士と軽装の戦士をまとめて吹き飛ばした。
 そこに5人編成のホークマン部隊が次々と降下し、地を這う者どもを大地に沈める。彼らは勝利の雄叫びを上げ、手近な商店から略奪を始めた。その背後に炎の戦士が忍びより、燃え盛る火炎を吹きかけた。無差別攻撃! 敵も建物も、もとろもに焼き尽くし、彼はけたたましく笑った。

 一体、これは何だ。誰と誰が戦っている?
 炎が荒れ狂い、木々が弾ける音の合間に住民の悲鳴が飛び交う。阿鼻叫喚。バルディスタが燃える。逃げ惑う人々同士が玉突き状態になり、衝突。足を止めた者は為す術もなく蹂躙される。地獄だ。

「ヴァレリアはもういねえんだ! この国は俺が貰ったぜ!」

 ソルジャーブルが雄牛の角をいからせて、剣を振りかざし雄叫びを上げた。

「馬鹿が! 能無しは引っ込んでろ!」

 半人半獣のゼルゲイナスがそれに食って掛かる。睨み合い、即座に決闘が始まる。大ナタと山刀が周囲を巻き込んでうなりを上げ、巻き込まれた者達は刃を抜き放つ。たちまち乱戦となった。

「燃えろ燃えろ!」

 狂ったように笑う炎の戦士はただただ戦火を煽り、手にした火球を街へとばら撒いていく。どさくさにまぎれてホークマンの一団が再び略奪にかかった。

 私は呆気にとられ、しばし硬直していた。だが、状況は私に傍観者でいることを許さなかった。
 何しろ混沌と略奪の渦中に荷駄を積んだ馬車が到着したのだ。私は呆然とする前に、その意味を考えるべきだった。

「兄弟! エモノがきたぜ!!」

 街を荒らしていた獣人達が我々に気づき、鬨の声を上げて襲い掛かってきた。最早逃げる暇はない。傭兵達は素早く飛び出し、剣を抜いた。
 リルリラが悲鳴を上げて私の背後に隠れた。

「どうなってるの!」
「わかるものか!」

 私は怒鳴り返しながら弓を構えた。焼け落ちた家屋の柱が私の隣に転がり、火の粉が舞った。その合間を縫って、弦が唸る。一つ、二つ……四つ!
 傭兵の振るう剣の煌めきが獣人達の進撃を押し返し、放たれた矢の数々が彼らの脚を縫い付ける。とどめとばかりにニャルベルトが火球を放った。大きく弧を描いた炎の球が石畳を爆砕し、魔物の群れを散らしめる。
 が、それが終わりではない。
 我々の奮闘はむしろ略奪者たちの注意を引く結果になったようだ。各々に争い、我先に略奪を繰り返していた野盗の群れが一斉にこちらに気付き、取り囲んだ。
 じわり、じわりと輪を狭める彼等の顔を、揺れる炎が照らしだす。影が踊り、熱が弾ければ、血に狂う野獣の瞳が無数に浮かび上がった。

「どうする!」

 傭兵の一人が敵を睨んだまま指示を仰いだ。
 私は顔をしかめた。状況判断が必要だ。が、一体何がどうなっている? 熱と混乱が私の頭脳にまで押し寄せ、思考を乱す。
 リルリラが私の背びれを思いきり引っ張った。
 私は一歩下がり、息を大きく吐き出した。視界がほんの少しだけ広くなった。

 どうやらバルディスタは下剋上を狙う反逆者と、野盗の群れに襲われているようだ。そして野盗同士も争っている。というより、各々の勢力が入り乱れ、好き勝手に破壊と略奪を繰り広げている、と見るべきか。
 街を守るべきバルディスタ兵も無論、手をこまねいてみているわけではない。黒鎧の兵士もそこかしこで奮闘していた。が、多勢に無勢。

「ヴァレリア一人、いなくなっただけでこれか!」

 戦場の熱と炎の合間に、ぞっとするほど冷たい風が吹いた。
 私の任務は大戦後のバルディスタ情勢を見極めることにある。が、もはや見極める価値もないかもしれない。バルディスタは、既に……!

「……荷物は多少犠牲にしてもいい。下がりながら迎撃せよ!」

 私は傭兵達に指示を出し、脱出の機会を窺った。リルリラが胸の聖印に手を触れ、呟くように祈るのが見えた。
 だが。
 もし神々が人の世を見下ろし、その運命に干渉するというなら、私に微笑んだのは悪運の女神だったに違いない。
 脱出経路を探す私の目に飛び込んできたのは、私を戦乱の渦中へといざなう、小さな影だった。 (続く)
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