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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2020-11-29 17:25:20.0 テーマ:その他

鉄と血と平和と呪われし魔王(1)~なりきり冒険日誌【※ver5.2に関する記述有り】

 魔界の太陽がバルディスタの街並みを照らす。行き来する建材、飛び交う施工音。傷だらけの街は痛々しかったが、補修工事にいそしむ人々の顔には安堵と充足の表情があった。
 再生の時間。極北に浮かぶもう一つの太陽、デビルマウンテンの大光球は魔仙卿と共にその光景を見下ろしていた。  魔王ヴァレリアの帰還により、バルディスタは平穏を取り戻していた。……平穏。私は失笑した。バルディスタには最も不釣り合いな言葉だ。
 私は先の約束に従い、酒場のジャンビから報酬を受け取った。つまり、ベルトロへのコネクション。
 バルディスタ城の執務室には兵士文官、魔物たちが慌ただしく出入りし、私への出迎えも丁重とはいかなかった。
 ベルトロは私の顔を見るや、瞼をピクリを動かし、大げさに腕を広げて肩をすくめた。

「街に協力してくれた商人がいるとは聞いてたけどよ、なるほど、お前さんか」

 私は恭しく一礼した。月明りの谷、破壊された孤児院跡で、私は一度彼と出会っている。街での評判は頼りない、いい加減、胡散臭い……と散々なものだったが、そんな評判とは裏腹に油断ならぬ切れ者、というのが私の印象だった。
 彼が私をどう評価したか……それは彼のみぞ知る。 「とりあえず感謝するぜ。実際助かったみてえだしな」

 彼は秘書を通じて通商手形を受け渡した。これがあればバルディスタ公認の商人。魔界を旅するにあたって役に立ってくれるだろう。
 だが私にとって重要なのはベルトロ自身との繋がりだった。
 バルディスタが復興するとなれば、アストルティアにとっては脅威の復活とも言えるのだから。ヴェリナードに仕える魔法戦士として、その動向は慎重に探らねばならない。

「全てはヴァレリア様のご威光あってのことです」

 私はヴァレリアが帰還したその瞬間のことを思い出していた。
 その日もバルディスタは野党の群れに襲われていた。兵士たちは奮戦したが、なかなか騒ぎが収まらない。
 だが行方不明だったヴァレリアがその姿を見せた途端、あらゆる無法者、反逆者、野盗の類が一斉に跪き、こうべを垂れたのである。
 驚くべきことに、ヴァレリアはその全てを再び配下として受け入れた。反逆も略奪も不問。強者が力を示し、弱者がそれにひれ伏せばそこに法が生まれる。私には到底理解できない話だが、それがバルディスタなのだ。

「ま、これで元通りってわけだな」

 ベルトロは窓に目をやった。再生されていく街の光景が窓枠の中に映る。

「元通り、ですか」

 私は声色にわざと含みをもたせた。もちろん、それに気づかぬベルトロではない。
 窓に映ったベルトロの眉が中央に寄り、重いため息が漏れた。
 ヴァレリアの帰還がすべてを変えた。そしてバルディスタはいまだ、ヴァレリア次第で白くも黒くも染まる不安定な状況にある。
 ……いや、最初からそうだったのだ。
 ベルトロが重い口を開いた。

「お前さん、前に言ってたよな。ヴァレリアは呪われてるって」
「そうでしたかな」

 私はとぼけた顔で首をかしげたが、無論、覚えている。
 月明かりの谷でベルトロと初めて会った時のことだ。
 全壊した孤児院。ひっそりと墓前に添えられた弔いの花。それを供えたのが魔王ヴァレリアだと知った時、私は彼女の半生を見たと思った。  ヴァレリアは決して強く冷酷なだけの魔女ではない。子供たちを保護し、死を悼むような一面も持ち合わせているのだ。
 だがバルディスタを束ねるのは力と恐怖。その頂点に立つ者は絶対的恐怖の象徴でなければならない。
 もし、魔王ヴァレリアにも優しい一面がある……などという噂が広まれば、その瞬間に偶像は力を失い、国は乱れるだろう。彼女は氷の魔女でなければならない。
 だから花はひっそりと、人目を避けるように咲く。
 それを指して私は言ったのだ。この国の魔王は呪われている、と。

「けど、アイツは本当に呪いをかけられちまった。早耳のお前さんのことだ。もう知ってるんだろ?」
「噂程度には」

 私は頷いた。
 ゼクレスとの戦で行方不明となったヴァレリアは、かの地で何らかの呪いをかけられ、力を失っていたのだという。情報源はジャンビとスライド。

「呪いの泉ってやつでな。ありゃ、厄介なもんだった。俺はそりゃあ頑張ったぜ。あちこち奔走して、他の奴らも巻き込んで、なんとか呪いを解いてやったってわけだ」

 ベルトロは件の冒険者と共にヴァレリアの呪いを解き、追ってきたギャノン兄弟もヴァレリアと彼らの手で始末された。そういう顛末だそうだ。

「けどな」

 ベルトロは俯き、自嘲的な笑みを浮かべた。

「アイツは泉に呪われて、長年の呪いが解けたのかもしれねえ」

 その瞳には、複雑な色が宿っていた。
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