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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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ミラージュの冒険日誌

2021-01-31 20:28:52.0 テーマ:その他

大魔王城の魔法戦士(8)~なりきり冒険日誌【注:ver5.3までのストーリー記述有】

「さて、昔話はこれくらいにして……君達も聞いての通り、大魔瘴期が近づいている」
 執事が飲み物を下げる。魔王が深い思慮を宿したまなざしを持ち上げると、雷鳴が轟いた。デスディオの天気は、こういう時には空気を読むらしい。
「今は魔界と人界が手を取り合わなきゃいけない。でも皆、戸惑ってる」
「当然、というべきでしょう」
 私自身、迷っている。目の前の人物とどう接すればいい? それすらわからないのだ。
 アスバルは深く頷いた。
「そんな時にアストルティアの友人と再会できた。僕はこの偶然をチャンスに変えたいと思う」
 そして瞳に強い光を宿す。
 ……と、私は彼が魔王にしては随分と無防備に、アストルティアの魔法戦士を招き入れたことに今更ながら気づいた。そしてそれが生来の人の好さから来るものではないことにも。
 まだ敵かもしれないウェディを前に、あえて守りを解いて見せた男に対して私はどうする? 
 友人、か。私は深く息を吐き、そして飲み込んだ。
 帽子のつばを持ち上げ、アスバルを正面から見つめる。
「我々を友人と呼んでくれることを嬉しく思う。その友情にこたえたいとも思う」
 アスバルの瞳に宿った輝きが、柔らかく広がった。リルリラがクスリと笑う。
「だが……面倒なことは山積みだ」
 私はエテーネの神官を思った。彼は理性的な男だ。彼ほど己を抑えられない者の方が多い。アスバルもまた頷いた。
「ヴァレリアも乗り気じゃないみたいだ。悔しいけど君の言うとおり、人の心は理屈通りには動かないだろうね」
 一般論を言うなら、時間と個人的体験が少しずつ常識を変えていく。それを待つしかないのだが……その時間が我々に与えられているかどうか。
「魔族もアストルティアの人々も、故郷は同じ。決して根本から違うわけじゃない」
 彼は言う。私もエステラからその話は聞いていた。魔界の成り立ち。魔族の成り立ちについて。
「ナドラガンドもね」
 リルリラが補足した。幸か不幸か、竜族の神官もこの城にいる。人間、竜族、魔族。それぞれの視点から事態をとらえるという意味で、勇者の人選は最適だったと言えるだろう。
「長い歴史の中で生き別れになった兄弟が、ずっと争い続けてきた。どこかで終わらせなきゃ、悲しすぎるだろう?」
「ロマンチックな表現だが、それは歴史学者シリルの台詞だな」
 私はあえて釘を刺した。
「大衆にとっては、大局に立ってものを見るというだけでも難しい。歴史などは教科書の中の話だよ。人が興味を持つのは今、目の前にあるもの。あるいは……」
「あるいは?」
「君だ」
「僕が?」
 アスバルは自分を指さした。私は頷く。
「わかりやすいアイドルは必要だろう。眉目秀麗、家柄もよく、地位も実力もある英雄……。人は歴史認識などよりそういうカリスマに注目し、彼らの作り出した空気に知らず知らずに従おうとする。悪く言えば扇動だな」
「なら、僕よりずっと適任者がいる」
 彼は窓の外に目をやった。
「世界の行く末は勇者と大魔王が決める、か」
 我々は深くため息をついた。ただ、帰りを待つだけだ。
 つまるところ、この会談では何も決まらなかった。だがそれでも、言葉を交わすことは無意味ではない。
 アスバルはこんな言葉で会話を締めくくった。
「今日は君たちと話せてよかった。頼りにしてる」
 そしてその翌日、勇者と大魔王は肩を並べて大魔王城へと帰還したのである。

 *   結論からいえば、勇者姫は大魔王の提案を受け入れた。アストルティア史上、初の決断だったに違いない。
 エテーネの神官は静かに言った。
「私は勇者とその盟友の決断を信じます。……しかし気持ちを整理するのには、時間がかかりそうです」
 一方、エステラ嬢は竜族としての立場から成り行きを見守り、双方に働きかけていくつもりだという。
 勇者姫もまた自分の決断をグランゼドーラに持ち帰り、要人達に働きかけるとのことだ。
 そして彼女は私に一つ、依頼をした。すなわち、引き続き魔界にとどまり、情勢調査を続けてほしい、と。ヴェリナード本国への正式な手続きは、ルシェンダ様の方で行うとのことである。
「私たちは魔界についてあまりに無知だったと思うの。もっと魔族を知るべきだわ」
 彼女の表情は固い。無理もない彼女もまたかつての戦いで兄を、民を失っている。
 勇者として、王族として、その感情と現実をどう折り合わせてゆくのか。
 大魔王はただ仮面の奥から勇者を見つめ、無言のままに頷くのみだった。  こうして我々はヴェリナードの斥候にして魔王の友人、そして勇者の協力者となった。
 肩書が増えすぎた気もするが……やることは変わらない。
「魔界観光、続行だね」
 リルリラはクルクルと宙を舞う。
「いつものことだニャー」
 猫の鳴き声が、長く長く響き渡るのだった。

(この項、了)
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