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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2022-01-22 22:58:45.0 テーマ:その他

海賊と冬の陽炎(12)~なりきり冒険日誌【※海賊クエストに関するネタバレあり】

 戦いが始まった。

 お互いの手の内は知り尽くしている。バイキルト、クロックチャージ。フォースの秘法。術法の限りを尽くした魔法戦士の動きは常人のそれではない。
 炎を、雷を纏った魔法戦士が、質量のある風のように地下空洞を駆け抜ける。ペッペチ先輩は目を白黒させた。
 術は互角。流派も同じ。だが決定的な違いが一つ。ゲーダムの得物は弓、私は剣だ。
 距離をおけば弓が、肉薄すれば剣が勝る。

 ゲーダムは矢をつがえたまま走る。腰から上は微動だにしない。正確な射撃体勢だ。
 私は追う。剣の間合いはまだ遠い。必然、ゲーダムの攻撃が先に届く。
 だが一射で仕留められなければ次の矢をつがえるまで、一瞬の間が開く。その一瞬で私は距離を詰め、勝負を終わらせるだろう。
 それは彼もわかっていた。
 故に彼は撃たない。打つと見せかけて牽制し、私の前進を阻む。そして距離を離す。一歩遅れて追う。じわじわと距離が開いていった。
 汗がにじむ。ゲーダムが二射目を放てるだけの距離を稼がれた瞬間、私の勝機は消え失せるだろう。

 賭けに出るしかない。
 私は左手で身体をかばいながら強引に距離を詰めた。
 ゲーダムは一瞬、訝ったように見えた。
 私の左手に盾はない。かといって、ゲーダムほどの使い手が撃った矢を剣で弾くのは至難の業だ。まして、剣はまだ鞘の中。

「苦し紛れか!」

 ゲーダムは渾身の力を込めて矢を撃った。暗黒の理力に染まった矢じりが一直線に私を襲う。ダークネスショット!
 私は避けない。
 剣を抜く。矢はすぐそこだ。弾くには間に合わない。
 ゲーダムが勝利の笑みを浮かべた。

 その笑みが凍り付く。

「何っ!?」

 ガツン、と重い音がして、矢が弾け飛んだ。
 障壁。私の左手に、存在しないはずの盾が出現していた。
 いや、そうではない。
 私は最初から盾を持っていた。盾で身を隠しながら突進したのだ。
 ただ、その盾が見えなかった。

 盾の透明化。これは魔界で発見された技法である。アストルティア勤務だったゲーダムが知らないのも無理はない。
 通常、武器を構えるとこの透明化は解除されてしまう。だから私は、ギリギリのタイミングまで剣を抜かなかったのだ。
 ゲーダムの顔が驚愕に歪む。私は剣を手に、一気に間合いを詰めた。肉薄……!

 だが彼にも奥の手がある。
 ハルバルド海賊団との戦いで見せた、弓を使った防御術。彼は弓の背を剣のように構え、私の一撃を弾こうと待ち構えていた。
 彼に不運があるとすれば、あの戦いを私が見ていたことだ。その動きは、私の想定の範囲内だった。
 私は剣の軌道を直前で変えた。予想外の動きにゲーダムの眉がピクリと揺れた。
 刃の狙う先は彼奴のそっ首……ではない。
 弓そのものだ。
 弓の弦に刃をひっかけ、私は全力で引き裂いた。  ピンと張った弦がちぎれ飛び、高く細い音が洞窟の壁に響く。洞窟蟹が岩陰に隠れる。
 余韻が幾重にも反響する。
 弓の両端からだらりと垂れた弦が、闇の中にゆっくりと揺れていた。
 なおも体術を構えようとしたゲーダムの首に、私は素早く剣を突きつけた。

「終わりだ、ゲーダム。おとなしくお縄につけ」

 ゲーダムの首筋に冷たいものが触れる。だが鋼の冷たさも、憎悪の熱を冷ますには足らなかった。
 彼は私を見上げ、荒い息を吐いた。

「貴様に何がわかる! 私は……」
「ゲーダム」

 私は遮った。無表情に。

「……お前は犯罪者が動機を口にしたら、納得して協力してやるのか?」

 ゲーダムの端正な顔が歪む。私は……殊更に無表情を貫いた。地下空洞に、冷徹な言葉が響く。

「たとえお前の怒りが正当なものであろうと、怒りによる暴走を正当化する理由にはならん。ましてお前は魔法戦士としての力と立場をそのために利用した」

 飾り羽根は風に揺れない。ゲーダムの体がぐらりと傾く。

「それを許す魔法戦士団でないことは、よくわかっているはずだ」
「おーい、無事かーー!」

 ……と、背後から声。そして足音。マドロックたちが追い付いてきたらしい。リルリラと猫も一緒だ。
 彼らの声に、再びゲーダムは憎悪を燃え滾らせる。私は首を振った。

「もうよせ。今更……」
「……しだ……」
「ゲーダム?」
「みな……ごろしだ……!」

 カッと目を見開く。私は訝った。様子がおかしいのは元々だが……これまでともまた違う。何か、異様な雰囲気が彼を包みつつあった。
 ガタガタと震えだした彼の体から赤黒い光があふれ、瞳に……そして胸に灯る。肌が鱗に、歯が牙に……。ペッペチ先輩が慌てて怪我人を遠ざけた。これは一体、何だ!?
「秘宝の力……発動してしまったのか!?」

 追いついたマドロックが歯噛みする。
 どうやら、また戦いは終わらないらしい。
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