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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2024-06-02 13:46:08.0 テーマ:その他

天使が大地を歩くなら(16)【なりきり冒険日誌※ver6.5までのストーリー記述あり】

 夜明け前に、黄昏れる天使が一人。私とリルリラはその隣で、首を傾げていた。
 冷たい風が天使の髪を揺らした。私は問いかける。

「天使にだって信仰や信念はあるだろう?」

 だが天使はうなだれ、力なく首を振った。

「俺は罪付きだ」

 彼は遠くを見つめ、そして己自身を見つめた。

「愚かな罪を犯した。自分の考えを欠片も疑わず、自分こそが正しいと心の底から信じてな」

 カンティスは、小さく握った己の拳を凝視した。微かに震え、揺れている。

「信念を貫くことと、偏見に凝り固まることは紙一重と思い知らされた。それをわかれば、信念を抱くこと自体が怖くなる」

 そして彼は何度目かのため息をつき、呟くように言った。

「俺は弱くなったのかもしれん」

 彼は力なく肩を落とし、私の隣に座り込んだ。
 私はそんな天使の姿をまじまじと見つめていた。
 滑稽と言えば滑稽だろう。気の遠くなる様な年月を生きてきた天使が、悩める文学青年のような台詞を口にしたのだから。
 私の脳裏にミトラーの言葉が蘇った。お前にこそ、この任務を任せたい。典型的な天使であるお前に、と。
 彼女には、わかっていたのかもしれない。  暗い空を見上げ、天に思いを馳せる。
 天使の国、フォーリオン。古く歴史ある種族の都。
 風吹かぬ空の都は時に重苦しく、代り映えのない清潔な風景は、白けた老成の霧と斜陽の翳りに包まれて見えた。
 しかし本当にそうだろうか?
 彼らは本当に、老いた巨人であったのか?
 天使との旅を思い返す。それが答えだった。

 小さく完璧な世界を一歩踏み出せば、そこには理解出来ない世界が広がっていた。
 理不尽に憤り、また己の小ささを知り、四苦八苦しながらそれに適応しようと必死でもがく。
 それは長い幼年期を超えて、青年期の風を迎えようする若者の歩みによく似ていた。
 風は冷たく、鋭利で、獰猛だ。
 だから私は天使と肩を並べて同じ景色に視線を向けた。暁の空は仄暗く、曙光はいまだ遠かった。 「古代のドワチャッカにこんな諺があったそうだ」

 と、私はカンティスに話しかけた。

「ブレーキのないドルボードはガラクタに等しいが、それはアクセルのないドルボードも同じことだ、と」
「ポンコツのガラクタか」

 自嘲的に天使は肩をすくめた。

「わかる話だ」
「だがそれでも、鐘は鳴る」

 容赦なく、事態は動く。矮小なる者どもは、追われながら、追いながら、二本の脚で歩くしかない。
 居残り部隊が引き上げ始めた。我々も座り込んではいられない。私は立ち上がると腰に手を当てて、大きく伸びをした。

「地上との連携は始まったばかりだ。まだまだ汗をかくことになる。楽はできそうにないぞ、宿屋協会の補佐官殿」

 リルリラが跳ねるように立ち上がる。カンティスは苦笑を口に浮かべつつ天を仰いだ。夜明けを待つ空を。

「あの官僚達と何度もやり合うのは、勘弁願いたいな」

 カンティスが立ち上がる。
 クエドの丘陵地帯に、静かな風が吹いた。
 リルリラは袴についた埃を払い、軽やかなステップで段差を駆け下りた。私もそれに続く。
 天使は、ゆったりとした足取りで歩き始めた。
 夜が、明けかけていた。


 さて、後の始末を語っておこう。
 守護騎士団は1000年の任務を終え、めでたく解散……とはならなかった。
 そもそも守護騎士団の活動は各国の援助によって成り立ってきた。ヴェリナードは勿論、ガートラントのパラディン隊は定期的に人材を提供し続けているし、キリカ修道会の派遣にはカミハルムイの助力があった。
 そうやって育て上げてきた組織と人材が突然、宙に浮くことになる。野に捨てるには惜しいし、かといって特定の国に吸収されれば他の国から不満が噴出するだろう。
 対ジア・クト問題で各国が混乱している最中、余計な揉め事は避けたい。
 そこにダンディオ団長からの要望があった。これからはどの国にも属さぬ自由騎士として民間の安全を守る活動を続けたい、と。
 これについても議論百出したが、結局は様々な利害と建前の落としどころとして、その案が通った。
 これまでの労をねぎらう意味でしばらくは各国が資金援助を続けるとのことだが、将来的にはそれも消える。組織の維持も資金繰りも相当苦しくなるだろう。

「でも、やりがいのある仕事だと思いますわ」

 すっかり守護騎士団に居ついてしまったサンが爽やかに微笑んだ。太陽のような笑顔に照らされ、団員の顔もまた明るかった。

「サンちゃん、移籍しちゃうのかな~」

 リルリラだけが、少し寂しそうな顔をしていた。
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