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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2013-08-07 00:45:22.0 2013-08-07 00:52:14.0テーマ:その他

日誌を書いた!

なりきり冒険日誌~笑いの祭典  ポーポラ地方に風が吹く。揺れるのは枝や葉だけではない。木々につるされた照明が歌うような声を上げて揺れる。優雅なステンドグラスの細工は、のどかなプクランドの草原に飾られた小さくも鮮やかなアクセントだ。夜になれば旅人たちの頭上を静かに照らす。道行く人々への、プクリポ達のさりげないな気遣いである。

 私の相棒が、せめてその半分でも私を気遣ってくれれば良いのだが、それは少々高望みが過ぎるらしい。
 休暇中の私を強引に連れ出したのはエルフのリルリラ。僧侶の家系に生まれた生粋の僧侶だが、旅芸人に憧れている変わり種である。
 そんな彼女によると、生誕祭にあわせてプクレットの村で演芸大会が行われるらしい。旅芸人を目指すならば一度は見ておかねば、とのこと。
 大きな過ちはいつだって、小さな油断が連れてくる。見るだけなら、と深く考えずに引き受けたのが最初の間違いだった。

 プクレットはプクランドの東の果てにある、のどかな村である。なだらかな丘の上に、プクリポたちの小さな家がまばらに並び、南端は海に面している。催しごとに最適の開けた浜辺では、花火大会が開かれることもある。
 広場には明日のスターを目指す芸人の卵たちが集まり、互いを磨き合っていた。果たして誰が殻を破るか。はたまた殻を割られるか。
 私は会場の椅子に座り、高みの見物……とはいかなくなったのは、耳聡いリルリラのおかげである。

 演芸大会の舞台裏、主催者である村長の家では審査員を募集中だった。すかさずリルリラが首を突っ込み、立候補した。
 好きにすればいい、と軽く考えて止めなかったのが二つ目の間違い。
 審査員認定試験用の衣装を借りにルーラ石でメギストリスまで付き添ったのが三つめの間違いだった。
 三人寄れば文殊の知恵。女三人寄れば姦しい。間違いは三つ寄り添えば事故が起こる。それは不意打ちのアッパーカットのように、見えない場所から強烈に、私の脳を揺らす一撃となって襲い掛かってきた。
 レンタル衣装屋は軽い口調でこう言った。

「困ったな。お嬢さんが着られるサイズの衣装は切らしてるんだ。そっちの兄さんのサイズならあるんだが」

 女神のごとく慈悲深いリルリラは溜息交じりにこう言った。

「しょうがないなぁ。今回はミラージュに譲ってあげる」

 ………。 
 苦悩。  今回は任務ではないので、ノーブルコートは着用していない。おかげで母国の名に泥を塗ることは避けられるが……。
 あの衣装を着るのか……?
 風が肌を撫でても、流れる汗は止まらない。妖気放つ衣装を前に、私は唸り続けた。
 それは白馬よりも白く、それは太陽のように輝き、それは朝を告げる雄鶏の如く晴れやかだった。
 絢爛な衣装は、纏う者にも相応の光を求めるものだ。そう、例えばあの"鳥の王"のような。
 私ごときがこの衣装を纏えば、鳥の王どころか裸の王様に成り下がるだろう。
 やはり断ろう。私がそう決めた矢先に、リルリラの鋭い視線が突き刺さった。

「皆が着たい服、着られるんだよ!?」

 お前の言う皆とは誰のことか、お前以外で名前を挙げてみろ。そしてその眼鏡は何だ。
 どうやら自分が乗り気だっただけに、逡巡する私が許せないらしい。
 近くに他の冒険者がいたなら、耐ブレス用の盾を掲げていたことだろう。私の吐いた溜息は長く、深く、凍えるほどに暗かった。

 結局、私は彼女の視線に負けた。
 女性の機嫌が悪くなることより怖いことはこの世にない。嘘だと思うなら、身近な女性を怒らせてみるといい。そのあとのことは保証しないが。
 こうして私は伝説の装備に身を包んだ。  孵化孵化の衣装。
 この衣装から孵化するものは何か。目覚めるものは何か。……想像したくもない。
 せめてもの抵抗として人相だけは隠させてもらった。心の内で、ゴーレック氏に礼を言う。

 3人の認定者の元へ。頭の上でひょこひょこと鳥が首を振る。恥ずかしいだけでなく、首が痛くなりそうだ。
 さて、認定者たちの反応は……。

 プクレットのヒペーナ氏。
 失笑。
 南西の小屋のププロイ氏。
 冷笑。
 ピィピのお宿のパパルッパ氏。
 嘲笑。  心が折れそうだ。災厄の王との戦いですら、ここまで精神を蝕むものではなかった。プクレットは悪魔の村か。
 笑いが取れてよかったね、とはリルリラの台詞だが、元旅芸人として言わせてもらえばこれは笑わせたのではない。笑われたのだ。
 だが笑いの渦の中、私はめでたく試験をパスしたらしい。まったく、これほど嬉しいことはない。
 私は衣装を脱ぎ捨てた。
 短い付き合いだったが、まるで永劫の時を共に過ごした戦友のようだ。
 安らかに眠ってほしい。二度と蘇るな。

 その日のアクロバットケーキは、やけにビターな味付けだった。
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