今回は以前私が『Youtube音楽BAR~おもち~』で選曲して好評だった4曲を再演しました。
① 幻想曲 中村天平
CASIO Privia 3:38
中村天平の曲は第6回酒場ピアノで『フレイム』を演奏しましたがこの曲もお薦めです。
私がおもち2~3回目の初心者で文字通りお客さんだった頃に選曲して「これは凄い!」と会場がざわついたのをよく覚えています(笑)
CASIOの電子ピアノの販促動画の様ですが電子ピアノでもこんな凄い演奏ができるんだ、とシンプルに伝える良い広告だと思います。
思えば私が中村天平を知ったのは2006年発表のこの曲からでした。
テレビかネットか忘れましたが、新時代のピアニストとして紹介されていました。
超絶技巧とその風貌からは想像もつかない美しいメロディーの曲が特徴的で私は一度聴いてすぐファンになりましたね。
当時流行っていたミクシィで私は「このピアニスト聴いてみて!」と口コミで広めてました。
自分に酔う様な演奏スタイルではなく、淡々と凄い事をやり続けるのがかっこいい!
まさに「ピアノ職人」という感じですね。
2分30秒過ぎからの即興風アレンジは解説不要の鬼神の如き演奏です。
② Two kites
ファーン・リンジョン 5:29
イベント告知でこの動画の写真を再現しました。
全く知らない歌手ですが、素敵な歌声ですよね。
曲は前回の酒場ピアノで私が最後に演奏したアントニオ・カルロス・ジョビン作曲です。
名曲があり過ぎるジョビン作品の中ではややマイナーな部類ですが私は一番好きな曲です。
前回私が演奏したシェガ・ジ・サウダージは失恋ソングでしたが、この曲はそれとは真逆。
幸せ絶頂バカップルの歌です(笑)
タイトルの意味は「2つの凧(たこ)」
日本ではお正月などに空に飛ばすあれです。
WE CAN FLY!
2人ならどこまでも飛んでいけるという、恋人たちの心情を歌っています。
ジョビンの曲は本当に美しいですが、歌詞は割と俗っぽいところがあり、そこが共感を呼び広く大衆に愛され続けているのでしょう。
この曲はボサノヴァの本場ブラジルなどでは結婚式に歌われることもあるみたいですよ。
というわけでジューンブライドを少し意識した選曲でした。
③ フーガ・イ・ミステリオ
kansyobakuya 5:45
1968年、スランプに陥ったアストル・ピアソラは詩人のオラシオ・フェレールと組んでオペラを制作。『ブエノスアイレスのマリア』と名付けられます。
作中の一曲がフーガ・イ・ミステリオです。
このオペラはタンゴ自体を擬人化し女性主人公にするという、日本のオタク文化を50年も先取りしたような内容です。
ウマ娘ならぬタンゴ娘ですね(笑)
決して色物という事もなくピアソラは最高傑作の評価を得て見事にスランプ脱出します。
この動画でのヴァイオリン演奏はまさにレジェンド、キドン・クレーメル。
数々の国際大会を優勝しグラミー賞受賞歴もある世界トップクラスのソリストです。
ピアソラの楽曲をこよなく愛していて、いくつもの関連アルバムを世に出しています。
そしてこの動画最大の見せ場は3分35秒にやってきます。
静寂から一転してクレーメル渾身のソロ演奏!
気分が乗ってきたのかメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲で有名なフレーズも挟み、衰えを知らない圧倒的な実力を見せつけます。
これに対抗するようにビブラフォン奏者アンドレイ・プシカレフも魂の演奏で応えます。
2人のエネルギーが激しくぶつかり合い
「クラシックってこんなにカッコイイんだ!」
と私たちに教えてくれる圧巻の名演です。
④ 国府弘子・天野清継カヴァー
Oscar 4:50
ジャズピアニストの国府弘子さんは多くのオリジナル曲を作曲していますが、その中でも私が一番好きなのが1995年発表の『ヘブン・アンド・ビヨンド』に収録されたOscarです。
癒しのピアノ曲が多い国府弘子作品の中では珍しくカッコ良さに全振りした様な曲です。
オスカーと言えば映画のアカデミー賞でトロフィーの別名として知られていますが、そのオスカーなのかはわかりませんでした。
オスカーとはオスカルと読むこともある、ヨーロッパ系の男性に多い名前です。
日本ではベルばらのヒロインが有名ですね。
国府弘子本人の演奏が見つからなかったので、動画の演奏はアコースティックナナバンドというグループですが、原曲に忠実な優れたカヴァーです。
タンバリンの人がいい味出してますね。
カヴァー元となったギターの天野清継とピアノの国府弘子は2人の頭文字をとって『天国プロジェクト』として活動していました。
この名コンビ本人による天国の様な演奏はまたの機会に披露したいと思います。