サボテン・多肉植物大調査はオーグリード大陸からドワチャッカ大陸へと移動いたしました。今回はカルデア山道で気づいたことを報告したいと思います。
上の写真に写っている橋はマップの南北のちょうど真ん中(D5,E5)にあります。橋の向こう側、つまり南側の木には葉がしげっていますが橋のこちらがわ、つまり北側の木は枯れていますね。これよりさらに北には木はまったく生えていません。
このように同じ地域のなかで微妙に植物の様子が変わるのはランガーオ山地にもありました。あそこの場合は針葉樹に雪が積もっているかどうかの違いで山の上(あるいは北)はより寒いのだろうと考えられました。
ここの場合も標高が上がり気候が寒くなったので木が育たなくなったというのが理由でしょうか?どうも違うようです。

橋の北側を歩いてみました。すると、何本もの太い木が途中から折れている光景が目に飛び込んできました。木はかつてちゃんと生えていたのです。いったい何があったのか?

枯れた幹はなんとなく炭のように黒っぽく見えます…あっなるほど!
ここは、かつて火砕流が起きた場所だったのではないでしょうか?
火砕流は高温の灰とガスが斜面を流れ下る現象です。高温のため木が燃えたりなぎ倒されたりしますが、溶岩流ではないので焼けたあとの幹は埋もれずに炭化した状態で残されます。
北側エリアはいまでもあちこちから火山ガスが噴出しています。そして最北地点には火口が。

その火口のさらに北側(マップ外)もやはり折れ、倒された幹が。火口のすぐヘリにまで焼けた幹が確認できます。
もともとここに火口はなかったと思われます。でなければ有毒ガスが吹き出す場所で木が大きくなるはずがありません。木が大きくなるだけの恵まれた自然環境があり、豊かな森だった可能性もあります。
さほど遠くない昔、突然ここから噴火が起こり、火砕流となって高温のガス・灰が南北に流れ下っていきました。火砕流の達した範囲は死の世界へと変わり果て、最初の写真にある橋で、火砕流が止まったのです。あの橋は、生死の運命を分けた橋だったのです。

というわけで、ランガーオ山地では気候の差から、カルデア山道では火砕流の到達範囲から、エリア内で植物の様子がことなっていると私は結論づけました。
次回もカルデア山道の植物について報告したいと思います。