ここは、とあるアストルティアの一角。
俺は、ある仲間モンスターにまたも呼び出されていた。
ホンダ「・・・」
こいつの名前はホンダ。
とある格闘ゲームのキャラから名前が付けられた、俺の仲間モンスターの1人である。
がんだい「俺に話とは?」
ホンダ「・・・」
コイツは元々寡黙なヤツで、俺に意見を言うことは滅多にない。
不言実行を体現したようなモンスターだ。
がんだい「何か言いたいことがあるのだろう?」
ホンダ「・・・」
だがヤツは何も言わず、ひたすら俺の目を見ている。
がんだい「お前も・・リュウみたいに強くなりたいから自分をもっと仲間として連れて行けと言うのか?」
ホンダ「・・・」
だがヤツは何も言わず、少し悲しげな目を俺に向けた。
がんだい「それともコーディみたいに心配してくれているのか?」
ホンダ「・・・」
やはり何も言わずに、心なしか優しげに俺の目を見るだけだ。
がんだい「・・そんな目で俺を見据えないでくれ」
ヤツの瞳に映る俺の姿を見る・・
まるで誰かに咎められているような・・そんな表情をした男が映っていた・・俺の顔だ。
がんだい「・・解った、最近はリュウやコーディの成長をメインにしてきたが、お前の事ももう少し考慮する」
ホンダ「・・・」
やはりヤツは何も言わず、少し柔らかく俺を見つめるだけだ。
がんだい「では、今日からお前も連れて行く事にする・・解ったら少し休め」
ホンダ「・・・」
こうして俺はヤツを今日からレベル上げに連れて行く事を約束した。
・・自分の中のいたたまれない気持ちをまるで見透かされたような・・ヤツの瞳に根負けしたというのが本音だ。
がんだい「(・・負い目を持っているのは、俺自身か・・)」
かすかにうずく、自らの気持ちに揺さぶられながら、俺はこの場を後にした。
・・そして俺は気づいてしまった。
がんだい「・・・・これって密"談"って言うのか?」