アストルティアのとある場所。
ガサッ。
がんだい「(ビクッ!)・・誰だ?」
ザンギエフ「ぼ・・ボクなんだな」
がんだい「お前か・・」
コイツの名はザンギエフ、とある格闘ゲームの投げキャラの名前を冠した俺の仲間モンスターだ。
ザンギエフ「きょ・・今日は話があるんだな」
がんだい「ハァ・・お前もか・・」
最近は新しい仲間モンスターを多数引き入れたせいか、そいつらの突き上げと言うか強化の催促が激しい。
ザンギエフ「じ・・実はボク、気になる子がいるんだな」
がんだい「は?」
ザンギエフ「ま・・前にボクをキミの仲間に引き入れた、あの若い子なんだな」
・・?引き入れた?
コイツを仲間にしたのは俺だが・・!!!!!
まさか!
がんだい「(あの子って・・俺の人間状態の姿・・ってことか?)」
ザンギエフ「あ・・あの子の勧誘を受けたからこそ、ぼ・・ボクはキミの仲間になったんだな」
がんだい「おいおいおいおい・・」
確かにコイツを仲間にした時、人間の・・忍者ドレアの姿でスカウトしたのは覚えてる。
ザンギエフ「あ・・あの子はとても素敵なんだな」
がんだい「いや、しかし・・あ、アイツは人間だし・・男だし・・」
ザンギエフ「か・・関係ないんだな」
マズい・・コイツ本気だ・・
どうしよう、今更俺だと言うのもなんか怖いな。
ザンギエフ「あ・・会わせて欲しいんだな」
がんだい「ええと・・それはなかなか難しいというか・・」
ザンギエフ「ど・・どうすれば会わせて貰えるんだな」
やべえ、迂闊な事は言えねえぞ。
がんだい「あー、お前はまだ力も弱いし、今のままで会ってもあの子にはアピールできないんじゃないかな」
ザンギエフ「つ・・つまり強くなれば会わせてもらえるんだな」
がんだい「も、もちろんかなりのレベルアップが必要だぞ」
ザンギエフ「も・・問題ないんだな。さ・・さっそくボクをレベル上げに連れて行くんだな」
がんだい「他のモンスターとの兼ね合いもあるからいつも一緒という訳にはいかんが・・なるべく連れて行くようにする」
ザンギエフ「き・・きっとなんだな」
そう言うと、ヤツは嬉しそうにその場を後にした。
がんだい「これって問題を先送りにしただけか・・?てゆーかアイツ、会ってどうする気だ?」
果たして俺は、ヤツを強化した先に、どんな未来が待っているのか。
少し考えて、ブルッと身を震わせた。