ナドラガンドのとある場所。
がんだい「これは焼きなのかな?それとも生?」
ガー「このカニの事ですか?」
がんだい「そう、色あいから見ても生には見えないんだけど」
俺は、水の領界で立ち寄った酒場で、近くに座っていたガーという男に話しかけた。
がんだい「それ以外の料理はしびれクラゲとサメバーンを使った料理だというのはなんとなく解る。だがこのカニだけは解らんのだよ」
だってここは水の中。
火を使った料理が一般で出せるとは考えにくい。
・・街の外ではメラ系の魔法は使えるが、一般の街の住人に呪文使いがそうそういるとは思えないし・・
ガー「さあ・・私はただの客ですから。まあ私も生ではないと思いますが」
がんだい「(ということはやはり焼き・・)」
他の民家に行ってみても、カマドみたいなモノは無かった。
とするとやはり呪文で焼いているという事になる。
ううむ・・この領界で調理をするコックは、やはりメラ系の呪文を使えるという線が正解なのかもしれない。
がんだい「あと解らんのはこの飲み物だ」
この領界には水中で活動できる膜みたいなモノに人間は覆われているのは解る。
だがあくまでもその加護があるのは人間だ。
モノ全てに加護が付いてるとは考えにくい。
となると、やはりこの飲み物は海水の中に置かれている訳で、飲む際に海水と混じりそうな気もするが・・
がんだい「そもそもどうやって容器についでいるんだ?」
・・ダメだ・・気にしだすとどうしてもモヤモヤしてくる・・
ガー「そんなに気にする事はないと思いますが・・」
がんだい「いや、あんたは気にならないのか?だって目の前に料理があって、あんたはそれを食べてるんだろ?だったら答えを聞かせてくれてもいいと思うが・・」
ガー「・・さあ?私はただのNPCですし、動く事もできませんから」
がんだい「・・・・この話の根幹となる部分で、その回答は『それを言っちゃあおしまいよ』という答えだな・・」
俺の疑問はどうやら解決するのは難しいようだ。
そしてこの話をしていて、かつてブームになった「空想科学読本」の事を、俺は密かに思い出していた。