アストルティアのとある場所。
コーディ「ワタシハ・・」
がんだい「ん?お前は・・」
がんだい「コーディ?どうしたんだ」
コーディ「マスター・・ワタシハ・・」
神妙にうつむくコーディ、すると突然。
コーディ「・・私は、目覚めた」
がんだい「えっ!?」
コーディ「マスター・・私を長い間鍛えてくれて礼を言う・・どうやら私は己の成長できる限界まで強くなれたようだ」
がんだい「ええと・・いきなりカタコトから流暢な話し方になってるんだけど・・」
コーディ「私は自らの限界に到達した。それと同時に私の中で何かが変わったらしい」
・・いったいどういう機能なんだろう・・
コーディ「マスター・・私と同じように、他の仲間たちも早く強くしてあげて欲しい。彼らは種族は違うが私と同じく忸怩たる思いをもってマスターの仲間となった・・いわば同胞だ。是非鍛えてあげてくれ」
がんだい「それはもちろん」
・・しかしまあ、確かにコイツは強くなったよな。
だんだん途中からコイツの成長具合が頼もしくて、ついつい気合い入れて鍛え上げたからなあ。
能力だけでなく、言語能力までアップグレードされるのは予想外だったけど・・
コーディ「しかし・・美しい・・」
がんだい「え?」
コーディ「アストルティアとはこんなにも美しい世界だったのか・・?いや、私は改めて気づいたのだろうな・・種としての高みに登った事により、これほど見えている世界が素晴らしく感じるとは」
がんだい「・・なんか妙な事になってない?」
コーディ「マスターも是非高みに登るべきだ」
がんだい「は?」
コーディ「マスターも、戦士以外にもあるだろう?様々な職業を鍛え上げる余地が。私が新しい自我に目覚めたように、マスターも改めて他の職業を鍛えれば、新しい何かが見つかるかもしれぬぞ?」
がんだい「いや・・そんな悟りを開いたブッダみたいな事を云われても・・」
コーディ「立ち止まるのは怠惰への堕落だ。うむ、いい機会だからマスターが他の職業を鍛える際には私が護衛しよう」
がんだい「いやいやいや!俺は戦士だけでいいって!」
コーディ「ハッハッハ。なあに、自らが更に強くなれば湧き上がる喜びもあるだろう。マスター、どうだ?今から魔界で鍛えてくるというのは?」
なんか、熱く語りだしたコーディに怯んだ俺は言葉を濁す。
がんだい「あ、後で・・他の仲間も鍛えないといけないから・・後でな!」
コーディ「む、そうか・・ならばそれらが終わったら、私はいつでも手伝うからな。もうすぐ新しい職業も増えるであろう、いい機会だと思って精進することだ」
がんだい「・・ひぃ・・」
ひょっとして・・他の連中も限界まで鍛えた時に、コイツのように変わってしまうのだろうか?
何だか楽しみのような・・恐ろしいような・・