アストルティアの「戦士がんだいの家」。
がんだい「む・・」
ホンダ「・・」
がんだい「ホンダか・・」
ホンダ「・・」
がんだい「そういえばお前、限界まで強くなったんだよな・・」
ホンダ「・・」
そう言うと、ホンダは嬉しそうに身をよじった。
がんだい「ハハッ、お前は強くなっても相変わらず無口なままだな」
ずっと寡黙に、最近の俺のモンスター討伐にひたすら付いてきた。
俺は、言葉を発する事はないが、俺のそばを離れずに一生懸命戦うコイツに、安らぎのようなものを感じていた。
がんだい「他のヤツはただひたすら強くなりたいだけみたいな、油断ならない所もあるんだが、お前は何だか他のヤツとは少し違う気もするよ」
ホンダ「・・」
俺がそう言うと、少しだけ照れ臭そうにしたホンダは、スッと下を向いた。
がんだい「?・・どうした?何か言いたい事でもあるのか?」
ホンダ「・・」
がんだい「・・な訳ないよな、お前は喋らないキャラみたいだし・・」
その時、ふっと顔を上げたホンダ。
ホンダ「・・・・・・・・オカエリナサイ」
!!!!!!!!!
がんだい「え!?喋った・・?」
こ、これはまさか・・
がんだい「まさかこれは・・聖剣伝説レジェンドオブマナの宝石○○編の最後に普段は喋らない主人公が最後に喋っちゃう的なアレ!?」
ホンダ「・・」
がんだい「それともOVA『トッ○○ねらえ!』の最後に帰還した主人公たちが迎え入れられる時のあの名台詞!?」
ホンダ「・・」
がんだい「・・それとも今のはタダの幻聴だったのか・・」
戸惑う俺を余所に、ホンダはまた静かに佇むだけになった。
がんだい「・・まあいいか、悪い気はしないし・・な」
こうしてまた1人、俺の仲間モンスターは限界まで強くなった。
果たしてコイツが発した言葉は本物だったのか・・
もしかしたら、俺がコイツと言葉を交わしたいと願った故の幻聴だったのかもしれない。
マイホーム前の、雪がしとしと降る日の一コマだった・・