アストルティアのとある場所。
アタシの名はバルログ(♂)。
アストルティアでは特に珍しくもない戦士・がんだいの仲間モンスターの1人よ。
こう見えても彼の仲間のモンスターの中では最古参の1人と言ってもいいわ。
だって最初はアタシやスライムのゴウキ、ねこまどうのダルシムくらいしかいなかったんだもの。
あれから随分と仲間が増えたわ。
そんな訳でアタシはレベルもそれなりに高い。
何度か転生したおかげで強さもそれなりよ。
でも・・最近めっきりお呼びがかからない・・
仲間の数が増えたと思ったら、中にはあっという間にカンストまで育った仲間まで現れたわ。
ちょっとちょっと、そんな新参者たちよりも、もっと鍛えるべき仲間がいるんじゃない?
牧場に置いていく仲間にも入れてないし、凝った衣装も着けてくれないし・・
もうアタシの事は忘れちゃってるのかしら?
そんなの嫌だわ〜って、こっそり彼の後をついていって後ろから咆哮をあげたら彼・・ビクッとしてたわね。
そしたら彼、アタシの事を忘れてたのに気づいたのか、今日久しぶりに仲間に入れてくれたの!
さあ、久しぶりの冒険よ!
何を狩る?弱いモンスターをシバキ倒してやろうかしら?
それとも終わってないストーリーを、アタシと一緒にクリアしちゃう?
ああ・・ドキドキするわ〜。
そんな彼がアタシにしたのは・・今の装備の付け替えだった。
がんだい「悪い悪い、そういやお前の装備は結構前の装備だったよな。今の装備に付け替えておかないと」
ええと・・それだけ?
他には新しい姿に変えてくれるとか・・お金が無い?
モンスター討伐に行くとか・・めんどくさい?
がんだい「よし、じゃあ戻っていいよ」
・・・・・・・・
そうして彼は、最近お気に入りのたけやりへいのケンを引き連れていった。
・・アタシ、泣いてもいいかしら。
でも・・きっと彼の育成が終わったら、次はアタシの育成をやり始める筈よ。
なんてったってアタシはそれこそ最古参とも言える仲のモンスターですもの。
がんだい「ええと・・ケンを鍛え終ったら・・次はまだ連れてった事のないヤツを連れていってやるか」
・・・・・・・
やっぱり・・泣いていいかしら・・