アストルティアのとある場所。
〜がんだいside〜
がんだい「ふう、今日はまた新しい仲間モンスターを鍛えに行くとするかな」
ディージェイ「・・」
コイツの名はディージェイ。
とある格ゲーの黒人キックボクサーの名前が付けられた仲間モンスターである。
がんだい「う〜ん、コイツもよく解らないんだよなあ・・」
ディージェイ「!・・!??」
がんだい「なんか喋ってるようにも見えるけど・・よく解らんし」
まあいいか、いつも通り一度転生させて、装備を付けられるようになってからだな。
がんだい「ん?コイツ魔法使いタイプか・・厄介だなあ、装備の併用できないから・・」
こりゃ最初の転生させたらそのまま牧場にブチ込むかな。
ディージェイ「・・!?」
がんだい「やっぱ何か言ってる気がするけど・・解らん」
俺はとりあえず育成方針を固め、モンスター牧場に送り返すべく動き出した。
〜ディージェイside〜
俺の名前は尾藤カズキ、アニメやゲームが好きな引きこもりのオタク(27)だ。
ある日、新作ゲームを買いに久しぶりに外に出たのはいいが、突然居眠り運転の車にはねられ即死した。
魂だけの姿になった俺は、謎の神様にこう告げられた。
「新しい世界で生まれ変わるがよい」
やった!これっていわゆる異世界転生モノってやつ?
つまらない現実世界からおさらばして、俺の異世界無双が始まるってワケだ!
だが、神様から出た次の言葉は・・
「悪いけど転生先はランダムで設定されるから、まあ何に転生してもその命を全うするように」
カズキ「え?チートとか、ハーレム展開とかは・・」
「運が良ければね」
ーーーーーーーーーー
そして俺が生まれ変わったのが・・このドラゴンクエスト10に存在するモンスターの一匹「フォンデュ」だった。
転生したとたんにこの鬼のような男にシバかれ、何故か仲間モンスターになった。
ディージェイ「・・」
しかも喋れないし・・せめて人間になれなかったのかよ〜。
更に俺の世界にあった格ゲーのキャラの名前を勝手に命名されるし・・
がんだい「とりあえず牧場行くか」
ディージェイ「・・」
しかも大して強くない俺は、オートで鍛えられる牧場とやらに送られるらしい。
ディージェイ「・・!?」
でも、チート能力とまでは行かなくても、鍛えれば魔法を使いこなしたり、色んなスキルを覚えるらしい。
・・ま、まあ他のモンスターみたいに倒されて終わり・・みたいな運命にはならなかったのはラッキーだったのかも。
上手く鍛えれば、俺はこの世界で無双できるかもしれないしな!
ディージェイ「♪」
がんだい「ん?コイツ魔法使いタイプか・・厄介だなぁ、装備の併用できないから・・」
ディージェイ「!」
がんだい「とりあえず牧場にぶち込んで、後は野となれ山となれだな」
あれ?・・俺もしかして詰んだ?
『転生したらフォンデュというよく解らないモンスターだった件』