がんだいの冒険日誌

俺の名は戦士がんだい。

アストルティアで活躍する冒険者の中の一人。

最近は特に刺激もなく、昨日もそんなにやる事はなかった。

おお、そういえばリアルという場所で俺と１番接点を持っている男が、何気に今日８月２１日、誕生日らしい。

残念ながら俺はヤツと交流があるが、ヤツに物を贈ったり、直接言葉で祝う事もできない。

じゃあどういう接点があるんだ？と、野暮なことは言わんでいい。

とにかくめでたいと思うが、誕生日か・・

思えば俺がオーガとしてこのアストルティアに転生してから１０年余りだから、俺はこの世界ではまだ１０歳という事になるのだろう。

リアルのヤツはその○倍の年齢という事になるようだが、年月の経つのは早いものだ。

改めて、時の流れというものは、何とも残酷で、何とも恐ろしい事が、幾度も重なるモノだな。

リアルでのヤツは、この１０年だけでも、巨大な震災後の復興、母との別れ、世界的な疫病の流行、世界での紛争など、たくさんの悲しく恐ろしい出来事を体験したという。

俺がヤツと出会ってからの１０年だけでこれだけの事があった訳だ。

ヤツはよく言っている「モノは溢れるようになったけど、少なくともだんだん世界は悪い流れに衰退していっている」とな。

俺もこのアストルティアで冒険者となったこの１０年は、とんでもない出来事の繰り返しだったが、ヤツもそれに輪をかけて大変な出来事に遭遇していたという事なのだな。

・・そうだな、それでも俺達はこうして生きている。

それがどれだけ辛くて悲しい事の繰り返しだろうと、俺達は生きている。

俺にはお前を祝う贈り物はないが、共に「生きている」のだ。

これまでの１０年、お互い無事に生きていられたのは本当に嬉しい。

また先の未来はどうなるか解らないが、さあ、共に「生きるをする」か。