アリッサは、Hydrainbow(ハイドレインボウ、以下ハイドレと表記)の中で一番歳下だ。
アリッサは印税などの収益をほぼ全額、がけっぷち村などの被災地に寄付している。
世間では、アリッサのことを『売名行為女』とか言うけど、
アリッサは、断じて違う!
だって、ハイドレといえば、アストルティアのクイーンズ・オブ・ポップなんだもの。
名前を売る必要がないほど売れているんだもの。
あと、『売名行為女』とは別に、『ケチ』とか『貧乏くさい』って言う人もいる。
たしかに、音楽で数々の賞を受賞して、莫大な印税収入を持っているのに、写真週刊誌などで盗み撮りされた写真では、手品師セット、水のはごろもセット、無法者セットなどの大衆的な服を着てることが多いです。
でも、言ってみたら、自分の洋服代まで削って、被災地を支援してるってことなんだと思う。
彼女自身が昔、災害で親戚を亡くしているんです。
彼女の親戚がいたという村の名前は、たしか、エテーナ…あ、違う、エテーノ…これも違う、
まぁ、とにかく、そんな感じの名前の村だったはずです。
彼女の叔母にあたる人とそのお孫さんが唯一の親戚だった…
彼女は早くに両親を亡くしていたので、この2人は大切な人でした。
叔母の孫にあたる人も年齢が近くて本当の姉弟みたいに仲が良かったんだとか…
災害が起きた日、アリッサは既にヴェリナードにあるホグレーツ音楽院に入学していたので、命は助かった。

でも、家族同然の2人を失って、彼女はこの世に絶望した。
彼女は死を決意した…
でも、母がわりの叔母がいつも言っていた…
どんなことがあっても、
死んだらダメ。
生きることを諦めたら
そこで試合終了だよ。
なんか、どこかで聞いたような言葉だけど、
でも、大好きな叔母さんが言ってくれてた言葉だったから、
最後の最後まで、心に引っかかっていた…
最後に誰かにわたしの無念の気持ちを聴いてほしい…
そう思って彼女はヱヴァ・ランドのゼーレBOXというアトラクションに参加することにしたの。

ゼーレBOXというアトラクションをざっくり説明すると、参加者は匿名で音声を変えてゼーレのモノリスになりきって、誰かと会話をすることができる、というものなの。
そこで彼女はゼーレ03となり、
自分の絶望を語り、もう、この世に未練がないことを語った…
無関心な他のゼーレは、
「ジャア、シネバ?」とか、
軽々しく返してきた…
だけど、ゼーレ05だけは違っていた…
ドンナコトガアッテモ
シンダラダメ…
イキルコトヲアキラメタラ、
ソコデ シアイシュウリョウダヨ…
その言葉を聴いたとき、彼女は泣いていた…
この世に絶望したはずのわたしが叔母さんを思い出して泣いている…
ゼーレBOXは匿名ということもあって、参加者は出口をこっそり出てお互いを知らぬままに別れるのが普通であったが、
ゼーレ05は、正体を現して、ゼーレ03に近寄っていった…

さよならなんて、さみしいこと言わないで…
自分には何もないなんて言わないで…
これもどこかで聴いた感じの言葉だったけど、
アリッサには嬉しかった…
その後、その人が音楽院の先輩、エイダであることが分かって、2人の親交は深まっていくの。
実はエイダは音楽院の1年のときに入学早々、挫折感を感じて、自殺場所選びの旅行に出かけたことがあったの…
とある村に行ったとき、ある女性に言われた言葉が、
「どんなことがあっても、
死んだらダメ。
生きることを諦めたら
そこで試合終了だよ。」
だったらしい…
村の叔母さんの言葉がエイダを救い、
そのエイダがアリッサを救った…
蝶のわずかな羽ばたきが、やがて遠く離れた地に嵐を巻き起こすという理論がありますが、
わたしは俄かに信じています。
一見、繋がりが見えない世界も、見えないだけでどこかで繋がっているのかもしれません。
次回予告!
久々の休暇をヱヴァ・ランドで過ごす2人!
ランドの季節限定イベント『雨、逃げ出した後ごっこアスレチック』に参加。
ルールをざっくり説明すると、
参加者は黒服の男(イベントスタッフ)に捕まらないようにランド内を転々としながら潜伏を続けるというもの。
最後に残った1人が『キング・オブ・逃げ出した』もしくは『クイーン・オブ・逃げ出した』として表彰される。
表彰式の際、「おかえりなさい」と言われるので、
ここではボケずに、素直に「ただいま」と言うのが暗黙の了解。
ちなみに、ランド内の不人気アトラクション『場末の映画館』は潜伏先としてあまりオススメできないらしい。
だが、うっかり入るアリッサたち!
次回、アリッサ、心のむこうに!
『発情期ですか?このヤロー!』
をお楽しみに!
※と言いつつ次回はありませんw