あたしの名前は、花形みちる。
声優歴7年です。
声優のお仕事で一番燃えることは、役の交代です。
前任者が亡くなったり、入院のために交代という話はよくある。
さらに女性は産休などもあるので、交代する機会、される機会は男性より多い。
長くファンに愛された声優さんからの交代は、はっきり言って、かなりアウェイ状態です。
カヴァーソングってありますよね?
カヴァーの上手な歌い方って知ってますか?
実はカヴァーは100%自分を出してやろうという欲があると、失敗します。
自分の持ち味を殺して、オリジナルを意識した歌い方をしないとカヴァーの魅力は出ません。
逆に100%コピーしてしまうと、「お前はどこのモノマネ芸人だい?」という感じになってしまいます。
あたしがたどり着いたカヴァーソングを歌う際の力の出し具合黄金比は、オリジナル5〜6に対して、自分5〜4といった感じなんですよ。
声優の交代も全く状況が同じで、前任者に寄せつつ、自分を少し出すという演じ方が、いい交代者と言えると思います。
あたしが、声優としてブレイクできたのは、4年前『海鮮新時代サザエリオン』でワカメダ中尉を交代で演じさせていただいてからだと思ってます。
デビューしてすぐの頃にも、大ヒットアニメ『清水区防衛ロボ チヴィマルキオン』でサキラ・サクコ役の交代のお仕事を頂いたんですが、当時、わたしはアグレッシブに自分の持ち味を売り込んでやろうという思いが強すぎて、
サキラを上手く演じることができなかった…
でも、今はもう昔のわたしじゃない。
役の交代のタイミングもいろいろあるけれど、ちょっと腹黒いことを言わせてもらえば、一番好きなのは、産休の代役です。
産休は、代役の期間も短く、どんなに評判が良くても、元の担当者に戻ることが前提だったりはしますが、
たった2ヶ月でも反響がすごい。
あと、『産休の代役は仕方ない』という風潮があるのか、産休の代役は、まず叩かれない。
産休の短い期間で評価を獲得できれば、有事、本格的な交代の際、交代要員として、候補者入りへの期待も高まる。
というわけで、声優学校の同期とか、どんどん結婚していって、
あたしも最近、焦ってはいるんだけど、
結婚が増えるということは、産休する人も増えそうということ。
産休する人が増えそうということは、
代役ヒットマンと言われるこのあたしが、またまたレギュラー声優さんを食う演技を見せるチャンスが増えそうだったりもしますよね。d(^_^o)
次回予告!
ついに宿命の対決か⁉︎
声優学校時代、アフレコ実演勝負で負かされた相手、陽毬が産休に⁉︎
代役が自分に⁉︎
永遠のライバル 陽毬へのリベンジは叶うのか⁉︎
次回、声優の星☆MICHIRU'S SIDE!
『ごめ〜ん、想像妊娠だった…テヘペロ!』
をお楽しみに!
と言いつつ次回はありませんw