うちの名前は、左門 作豊実(さもんさとみ)。
九州は熊本の出身ばい。
しかし、東京ちゅうとこは、物価の高かとこね。
そんかわり、時給もいっぴゃあもらえるたいね。
こん東京で絶対、声優ば、なっちゃる。
みんな、うちのこと、じゃごんべえとかって、馬鹿にしとうとよ。
声優の学校でも、訛りがきついって、馬鹿にされとうとよ。
ばってん、うちは、絶対、負けんとね。
隣ん客はあばかん柿ば食う客たい…
隣ん客はあばかん柿ば食う客たい…
隣ん客はあばかん柿ば食う客たい…
よし、今日の早口言葉特訓は、いさぎゅう調子よか。
明日の公開アフレコ実習は、実質、野球で言うところのドラフト会議みたいなもんだって話たい。
業界の偉い人が、いっぴゃぁこっぴゃ来るっちゅう話たい。
うちは、もう熊本には帰れんもんね…
十代の少年と自分が写った写真を見つめて、作豊実は涙を流した。
京一くん… うちは絶対、声優になるけんね…
声優になりたかった京一くんの夢、うちが代わりに叶えるけん…
京一くんが可愛いって言ってくれたこの声で…
明日の実習は、うち得意の少年役ばい…
絶対、成果を出してやるけん…
次回予告!
バイトは立ち仕事。
声優の実習もずっと立っているので、貧血で倒れてしまう作豊実。
せっかくの公開アフレコ実習だったが、参加できずに終わってしまう。
そんな折、まわりのみんなから、
「たまに、熊本以外の言葉が混じってる」とか、
「ほんとはウソ熊本県人だろ?」
と疑惑をかけられる作豊実。
次回、声優の星☆SATOMI'S SIDE!
『出身が熊本ってだけズラ、そのあと、いろんな県を転々としてきたズラ。』
をお楽しみに!
※と言いつつ次回はありませんw