わたしの名前は、番 千傘重(ばんちさえ)。
声優学校に通う18歳女子。
わたしによく喋りかけてくるのは高畑ほたるさん。
高畑さんは、二十歳前後の生徒が多いこの声優学校に65歳で入学してきた。
なんでも、高畑さんは、小さい頃から声優を志望していたのだけれど、幼少の頃に家族が亡くなり、それから、波乱万丈な地獄のような日々を過ごした。
紆余曲折を経て、ようやく現在、声優を勉強するためのお金と時間ができたらしいです。
高畑さんが言うには、若い声で声優に挑戦できるわたしが羨ましいのだとか。
高畑さんの夢はペディキュアの声優になることです。
幼少の頃に生き別れた幼い妹が好きだったペディキュアになれば、もしかしたら、妹に今の自分の存在を気づいてもらえるかも、という想いなのだとか。
高畑「でも、自分の夢を妹の夢に置き換えるなんて、叶わなかったときの言い訳みたいでずるいよね…」
その日から、高畑さんは、自分自身が、すごくペディキュアになりたい!と決意を新たにしたのでした。
高畑さん、すごいや…
わたしは、プロの声優さんに教えてもらえれば、それだけでいい思い出になるとか、自慢話のネタになるとか思って、この学校に入学した…
適当にやっていても学校を卒業する頃にはある程度、実力がついて、なんかかんか1作品ぐらい、アニメ作品への出演ができそうなんて、ナメた考えで生きてた…
でもここに、同期でカッコいい人を見つけた。
その日から、わたしの夢は、
「プロになって、高畑さんと共演する!」になった。
その日から、わたしは、学校でプロの声優さんに会ったとかの自慢話をしなくなった。
次回予告!
ペディキュアのオーディションを受ける千傘重と高畑!
オーディションの結果が知らされる!
結果は通行人A、Bとしての採用!
悔しがる高畑!
次回、声優の星☆CHISAE'S SIDE!
『じゃあ、わたしは夢が叶ったんで引退します!』
をお楽しみに!
※と言いつつ次回はありませんw