ときは1990年になるかならないかの頃のお話です。
あるところにとてもドラクエ好きの一人の少年がいました。
少年は親に買ってもらったファミコン版ドラクエⅢを最後まで
友達と競ってやりました。
それだけなら普通なのですが、
この少年、何度も普通にラスボスまでプレイするだけでは飽き足らず、
とうとう勇者一人旅でどこまで行けるかという無謀なこころみを
はじめました。
この当時インターネットなどという便利なものはありません。
少年は手探りで冒険をはじめました。
最初の難関はスライムやおおガラスの集団相手に、
レベル1で挑むということです。
最弱のスライムでも8匹同時に出現することがあるので、
そんなときはまともに戦っても勝ち目はありません。
少年は逃げるやリセットボタンを駆使し、
2~3匹の勝てる集団とだけ戦ってなんとかレベルを上げ、
ゴールドを集めて装備を揃えていきました。
次の大きな難関はいざないの洞窟です。
ここではメラの呪文を使うまほうつかいが4匹で出ることがあります。
メラと言えばもちろん初歩中の初歩の呪文ですが、
4匹で連続で使ってくるとレベルが少し上がっただけの勇者一人では
ひとたまりもありません。
少年はまほうつかいに出くわしたら逃げるを駆使し、
なんとか洞窟の最深部までレベル9ほどで行くことができました。
次のおおきななんかはカンダタです。
冒険中初めて出る中ボスで子分もつれています。
少年は比較的弱い子分から倒して数を減らし、
レベル15で瀕死になりながらもカンダタに勝つことができました。
この後レベル30前後で2回目のカンダタを苦戦しながらも倒し、
旅は軌道に乗ったかに見ました。
ですがドラクエⅢの一人旅はそんなに甘くはありません。
少年はやがてやまたのおろちとボストロールに苦戦します。
おろちやボストロールにいくらじわじわダメージを与えても
なかなか倒れてくれません。
「もう1000~2000以上は与えているのになぜ!?」
「ラスボスよりHPあるじゃん」
悩んだあげく、少年の出した結論は一つ。
「こいつら毎ターン自動回復してるんじゃね?」
そこで少年のとった方法はただ一つ、
「回復される前にギガディン打てばいいんじゃ?」
早速レベル上げにあけくれる少年。
レベル41か2ぐらいでギガディンを覚えると
すぐにおろちに試してみました。
その結果・・やまたのおろちに一度に約200のダメージを
与え、2ターンで戦闘おわりました。
調子に乗った少年はボストロールも同じ要領で倒し、
最終的にバラモスに敗れて一人旅を終えました。
そんな少年も今ではいいおじさんになり、
アストルティアをエル男で駆け巡っているとかいないとか・・。
以上でおしまいです。
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました^^;