「夜の神殿に眠れ」の続編をマイタウン三軒を連ねてハウジングすることで表現しています。
その補完で始めたはずの創作ストーリー。
更新は9回目です。
最新ストーリーが胸熱すぎた。
創作とは言え、ネタバレを含みます。ご注意下さい。
マリーンはいつものように焚き火をしていた。
ふと、その炎の揺らめきに真っ赤な髪で無邪気に笑うユシュカを思い出す。
「元気にしてるかね…」
ユシュカとの旅を終えてから50年余りの時が流れた。
結局あの後ユシュカとの旅は10年近く続いた。
最初は小生意気なユシュカにイライラもしたが、旅の中でそれは不器用なまでに真っ直ぐなせいだとわかった。
「本当何回ぶっ飛ばしてやろうと思ったことか。」笑顔が溢れる。
(それにしても思っていたよりも魔界は厳しい世界だね。
その日生きることすら大変なヒト達も沢山いる。)
それはマリーン達にとっても言えることだった。
魔界を知らないマリーンはユシュカの行商に付き合う形で旅を始めた。
最初に巡っていたのは砂漠地帯。ここには昔大きな国があったが今は小さな国や集落が点在するだけであった。
そのため、治安は悪く、盗賊が跋扈していた。
行商をするには常に傭兵を雇わなくてはいけない。
常に命がけの世界。
そんな世界だからこそ得たものもある。
生きる意味
大切な人を失い生きることに絶望していたマリーン。
だが今は守ってあげないと簡単に死んでしまう同行者がいる。
それがマリーンにとっての生きる意味になっていた。
ある時キャラバンが盗賊に襲われている所に遭遇した
ユシュカ「…運の悪い奴らだ。」
諦めたように話すユシュカ。
マリーン「やれやれ。」
深いため息を吐くと武器を構える。
ユシュカ「まさか助けるつもりですか!?」
最近のユシュカは自分を師匠と呼び、態度も昔のそれとは違っている。
マリーン「助ける力があって、助けが必要なヒトがいる。なら助けるだろ?」
マリーンはユシュカの反応をみることなく走り出す。
しばらくしてマリーンが戻ってくる。盗賊如きに遅れをとるマリーンではない。
マリーン「なんだい?文句でもあるのかい?」
仏頂面で迎えるユシュカ。
ユシュカ「師匠は何故いつも他人のために動くんですか?」
マリーン「いいだろ?別に。
こうやって金も貰えるわけだし。」
お礼に貰ったお金の入った袋をじゃらつかせる。
ユシュカ「お金のためにやってるわけでもないでしょ?この間だって物乞いのガキ助けてましたし…」
納得のいってないユシュカが食い下がる。
マリーン「弱いものを助けるのがあたしの生き甲斐だからね。ユシュカあんたも含めてね。」とユシュカの頭を乱暴になでながら豪快に笑う。
ユシュカ「子供扱いしないでください!」
反論するがそんなこと全く聞かず、マリーンは鳥獣車(馬車的なもの)に乗り込む。
マリーン「ほら、早く乗りな。置いていくよ!」
そのまま少し走りだす。
ユシュカ「待って下さいよ!!!」
久々の更新です。
当初はすぐ終わるストーリーの予定でしたがなかなか長編になりそうで困ってますw
さて、今回はエピソード2のタイトル「新たな希望」の一つ目の希望。つまり生きる意味を表現してみました。ラウルを失ったリィンが得た生きる意味。
そして、その後の賢者マリーンの生き方の原点を描いてみました。
覚えてますか?
本編のガートラント城でマリーン様がグロスナー王に言ったセリフ。
「弱いものを助けてあげるのがあたしの生きがいだからね。」
そして、その生き方はユシュカに大きな影響を与えます。
「弱者は守られるべき存在」
まぁ~ちょっと度が過ぎてるようですが(^^;
さて、次回は
回想② コンパスの意味
再開編 傷ついた小鬼
乞うご期待下さい!!!