オルカの冒険日誌

夜の神殿に眠れをテーマにした6軒の家で織りなす
全6話の物語。
「二人が求めた世界」

語り部として、物語を語りながら案内するツアーを
個人、団体様向けに開催しています。


その語りのもとになっている物語。

この日誌は
・夜の神殿に眠れ
・メインストーリーver.5

上記二つのネタバレを含みます。またそれをもとにした二次創作作品です。

注意してご覧ください。

ネタバレと二次創作ですよ？
本当に注意して下さいね？

第二話　「新たな希望」①


ラウルの死を知り、一度は諦めた願い。

しかし、魔界での日々はマリーンに新たな希望をもたらせてくれた。



そして、時は流れ…


魔界、アストルティアを巻き込んだ戦いから一年が
経過したある日、マリーンは夜の神殿を訪れていた。

そう。あの場所へ。


マリーン
「ラウル…だいぶ時間が経っちまったけど
墓参りにきたよ。

前来た時はどうしてもそんな気分になれなかったからね…

あれから300年。あたしも長く生きてきたよ。
その間にいろんなやつらに会った。
楽しいことも辛いこともいっぱいあった…


今世界は笑顔にあふれている。


だからかね。あたしも最近考えちまうんだよ。
素直に笑い合えていたあの頃を…



ラウル…やっぱりあたしはあんたに会いたい。


それが無理なのはわかってる。


でもね…あたしゃ諦めが悪いみたいなんだ。
どんなに忘れようとしてもどうしても出来なかった。
だからね…

足掻いてみせるよ！！！

魔に魅いられた女の本気見てておくれよ！」



そして、マリーンの物語が再び動きだす。

ラウルとの再会。
それには大きな問題が二つ。

魔神の姿の自分。そしてもうすでに起きてしまっている事象。つまり「過去」の出来事だということ。　


魔神の姿についてはラウルなら受け入れてくれる気がする。

それでもやっぱり自分は…

マリーン
「…無理だね。」


だからこそ「魔神」を封じる力を探し、
見つけられないならと、創りだそうとしていた。



その時代に行っていた基礎研究のおかげで「核」の部分は出来ていた。

そのベース(核)の術式に癒しの力を乗せていく。

元々、癒しの力に秀でていたリィン。
魔神となったことで魔力も上がり、常人のそれを
遥かに超えた力が扱えるようになっていた。

さらに『夜の民』としての宝石魔術と組み合わせる
ことによって

「魔障」を浄化し、肉体を元の姿に戻す
新呪文を生み出したのだ。



マリーン
「できた…やっとできたよ…」
その場に力なく座り込んでしまう。その瞳には涙が
あふれていた。

マリーン
「これで元の姿に！！！」





しかし、


その喜びが長く続くことはなかった。

早くて3日後、保って一週間後には

浄化された研究対象の組織の崩壊が始まって
しまったのだ。


そう。呪文の力に肉体が耐えられなかったのだ…


マリーン
(魔神すら浄化する力。そりゃぁ肉体に負担が
かかるのも当たり前か。)

やっとの思いでできた呪文。

しかし、その欠陥はマリーンの心を打ちひしがらせ、心に悲しみの色が広がる。



マリーン
(この呪文を使えば、永遠の命の呪縛からは
解放される。
…生まれ変わったらラウルに会えるかね…)

マリーン
「ははは…」
乾いた笑いが周囲に虚しく響き渡る。

マリーン
(生まれ変わり…転生…
そうだねぇ。この呪文は
『リィンカーネーション』とでも名付けようかね。)



カーネーションの色ごとの花言葉
赤:母への愛、愛を信じる
濃い赤:心の悲しみ
白:あなたへの愛は生きている
ピンク:感謝
紫:誇り
オレンジ:純粋な愛



やっと見えた希望。それがすぐに絶望へと変わる…

どこまでも無慈悲な世界。




しかし！


マリーン
「もともと『世界の理(ことわり)』に
逆らおうってんだ！
この程度で諦めてたまるかってんだよ！


届けてみせるさ。白きカーネーションを！」



ラウルへの想いを胸にマリーンの挑戦は続く。


　　　　　　　　　　　　　　　　to be continued