オルカの冒険日誌

夜の神殿に眠れをテーマにした6軒の家で織りなす
全6話の物語。
「二人が求めた世界」

語り部として、物語を語りながら案内するツアーを
個人、団体様向けに開催しています。

その語りのもとになっている物語。

この日誌は
・夜の神殿に眠れ
・メインストーリーver.5までの物語
上記二つのネタバレを含みます。
またそれをもとにした二次創作作品です。

注意してご覧ください。

ネタバレと二次創作ですよ？
本当に注意してくださいね？
第六話「Day Break」#8


クーストースの棍棒がラウルに振り下ろされる瞬間









紅、蒼、翠、黄、虹、紫の宝石が空中を煌めく。








そして、鳴り響く甲高い金属音。








宝石が六芒星を描き、ラウルを護る結界を構築していた。











宝石を投げたのはマリィン自身。

しかし、自分自身何をしたのか、何が起きたのかがわからない。



？？？
「まーったく　だらしがないねぇ。」
???
「まったくー　おいらがいないとダメだね～」


不自然に声がダブって聞こえた気がした。



マリィン
「えっ！？何！？」


その瞬間、マリィンの道具袋の中から
何かが飛び出る。




翡翠の宝玉に羽飾りのついた紅と白の帽子



その帽子がマリィンの近くを飛び回る。



マリィン
「帽子が…飛んでる？？？」
その異様な光景にしばし呆ける。



しかし



パリーンという音と共に何かが砕け散る。


???
「やっぱり『今』のおいらだけのチカラじゃあんまり耐えられないみたいだね。


マリー……リィン。


『貸し』を返すね。」




そういうとその帽子はマリィンの頭に被さる。


その瞬間、マリィンの魔力がみなぎり出す。



そして、以前頭の中に流れた映像に出てきた
謎の人物に自分がなっている感覚に襲われる。



マリィン
(コレは何？このチカラは！？
どうなってるの！？！？！？)
突然の変化に動揺が隠せないマリィン


???
『大丈夫だよーリィン。

一時的に　おいらと　リィンの魔力を　繋いでいる

だけだからー』


頭の中に直接さっきの帽子の声が聞こえてくる。



マリィン
(あなたは何なの？あたしを知ってるの！？)


???
『うん…
長い、長い　付き合いだったんだー』


パリーンという音と共にまた宝石が砕け散る。


???
『！！！

リィン。
もぉ　結界が　耐えられないみたいなんだー

ラウルを　助けるために、
今は　おいらを　信じて欲しいんだっ！』


マリィン
(……わかったわ！不思議な帽子さん！)

一瞬マリィンは逡巡(しゅんじゅん)するが、ラウルを護っている結界がクーストースの攻撃で少しずつ壊れていくのが視界に入ったため、その提案を受け入れることにした。


???
(帽子さん…)
『…リィンは覚えてないと思うけど、体が覚えてるからー

頭に　浮かんだまま　唱えてねー
あとは　おいらが　サポートするからっ！

いっくよーん！』


???
『宝石魔術・結界』
マリィン
「宝石魔術・結界！」
そう叫びながら、再度宝石を投げる。


ラウルを護っていた結界が再構築される。


???
『続けていくよー
　宝石魔術・夜明け』
マリィン
「宝石魔術・夜明け！」


今度はラウルの足元に魔法陣が構築される。


宝石魔術・夜明け
賢者マリーンが起源鎧デルメゼ戦で使った宝石魔術
味方全員に60秒間ダメージでHP50%回復効果付与+不利な状態変化を全て解除


これによりラウルに付いていた攻撃力防御力低下、
行動間隔延長の効果が消える。


???
『後は　回復して…』
しかし、突然マリィンがさっきまで感じていた魔力が消えかかる。


???
『もぉ　限界かぁー
　でも最後のチカラを使えば…』

マリィン
(最後？)


???
「ミッドナイト　マホッシー　パワー！」


マリィンの頭から離れるとその帽子はマリィンとラウルの周りを金色の光を振りまきながら飛び回る。



ラウルとマリィンのHPが全回復する。



???
「こ、れが…限、界みた…い…」
そう言うとゆっくりとマリィンの胸元まで飛んできてポトんとマリィンの腕の中に落ちる。


マリィン
「帽子さん！！！大丈夫！？」


???
「だい、じょーぶ…
　チカラを　使い…すぎた、だけ。
　
　ま、た…いつ、か…会え…」



その帽子から感じていた魔力が完全に消える。


マリィン
「帽子さん！？」



マリィンの呼びかけに

その帽子が応えることはなかった。

             
　　　　　　　　　　　　　to be continued