※本人のプライバシー尊重のため、音声を変えてお送りします
「まさか私が?っていうのは正直ありましたね。」
しばらく塞ぎこんだのち、彼は続けた。
「古くからの歴史というか経験もあったので、安心していた部分もありました。どの位置でも戦えるようオールマイティな選手であることを心掛け取り組んできましたが、その万能さが仇となった感じではありますね・・・」
片手剣タイプというライバルが多いポジションにいて、火力だけでは厳しい世界に彼は思い悩んでいたようだ。
「監督としても使い分けが難しかったのかな・・・試合にも呼ばれなくて・・・、どこも怪我していないし、まだ出来るし・・・」
「・・・厳しいですよね・・・」
新たなルーキーが入ろうとされる今、まさに窮地に立たされていた。
「第4シーズンに入って能力も結構上がったと思ってはいます。そこからまだ使ってもらえてないので・・・アピールしたい。チャンスを活かせるよう、トライアウトに臨みたい。」
「戦う相手や、状況が変われば、またオファーが来ると信じて、今は・・・待つしかない・・・ですね。」
そう語ってくれた彼らの目は、しっかりと未来を向いていた。
※本人のプライバシー尊重のためイメージ図
そして、ここにも一人、戦力外の狭間に立たされる男がいる。
入団当初、人並み外れた爆発力で周囲を驚かせた小さな悪魔。
しかし、それも長く続かず、最近ではベンチを温める毎日。
今は次のピリオドに向けて、新たな技の習得に燃えていた。
この技の習得次第で、彼もまた現役を続けられるか決まるからだ。
「自分の特徴がしっかりと出れば・・・」
言葉少なに、槍を手にもくもくと練習に励んでいた。
プロテクト24枠に生き残るため、今日も彼らの戦いは続いている。