私
「マスター!道具鍛冶職人の技術もいちおうひととおり身についたので、少し別のギルドで勉強したいと思います!」
マスター・バレクス(以下「バ」)
「ああ、以前もそう言って職人LVを極めたとき3年半ほど勉強してきたのだったネ。まぁ好きにするといい」
私
「ありがとうございます!」
バ
「みたところ今回は職人LVは極めたようだけどすべてのレシピのコツはつかめてないよだが・・・?」
私
「私が1年ほど前にこのギルドに戻ってきたときまでに追加された新レシピ、素材の費用があまりに高額で1回ずつ作るだけで精一杯でした」
バ
「・・・なるほど」
私
「少しヤバい種類のツボやランプ、墳墓の副葬品のレプリカ・・・ マスターのポリシーには少し反するな、と思って深入りしませんでした」
バ
「・・・うん。特にツボやランプの新レシピは作り手にも相応のリスクがあるからネ。」
私
「そこでまず、つかうヒトの立場を経験することにしました」
(ババッ)
バ
「・・・!?なんだいその格好は?」
私
「・・・聞くところによると、ランプ錬金の職人でちょっとヤバいヒトがいて、名前は「髭野丸子」さん・・・だったかな」
バ
「「髭のマルコ」だよ」
私
「・・・え?そうなんですか!?よくご存じですね!」
バ
「・・・それでなぜその格好に?」
私
「え?ああ、錬金職人って私たち生産職人と違って、お仕事がかなり運任せな要素があるじゃないですか。でも最近は「いっぱつ仕上げ」できるようになって、錬金職人用にいっぱつ仕上げ用の武器なんかもあるとか。」
バ
「うん。よく知ってるネ」
私
「それで、これまで生産職人では貫いてきた「いっぱつ仕上げはしない」とうマイルールを錬金職人では捨てて、むしろいっぱつメインで極めてみようかと(バザーに出すための錬金は頑張りますけど)」
バ
「・・・で、その格好かい?」
私
「はい。詐欺錬金ではないけど正規の仕事はしないエセ職人っぽく決めてみました。題して「ヒゲのワルコ」」
バ
「・・・。不覚にも笑ってしまいそうになったよ。ヴェキオ君には私から先に話しておくよ。そんなカッコで行ったら多分二度とラッカランに行けなくなる」
私
「ありがとうございます!ウェ~イ!」
バ
「・・・。」
というわけで、本職道具鍛冶職人をまたお休みして、ランプ錬金職人のクエストを一通り体験しに転籍したいと思います!
初めてレシピを試したり、名声を上げる都合上たまに「結晶用」っぽい錬金製品を出品すると思いますので、バザーで見かけた際はお手に取っていただければ幸いです。
・・・行くぜラッカラン!回すぜ錬金ランプ!!
そんな会話は道具鍛冶ギルド2階のカリーヌさんにも聞こえていたのだった。
いつも道具鍛冶の職人はブツブツ独り言行って硬い人ばかりなので、もっと面白おかしくできないのかが研究テーマという彼女。
たまに話をしにくる私とは仲良くしてくれるのですが、マスターにあのカッコ見せる前に彼女に見せてみたところ、事情に詳しい彼女は裏世界の親分に目を付けられないようにね、と注意してくれたのでした。
某プロ野球チームのマスコットみたいな名前のヤバい団体に目を付けられる、ということだったので、私は裏社会どころか魔界に知り合いがいるので魔王を何人かよこしてやりますよ、って言っときました。
ヤバい団体じゃなくて本物の勇者に狙われるようになるからやめたほうがいいわよ、っいわれたけど。
※もちろん転籍のこと以外、このお話はホントの設定と何の関係もありません。あしからず。