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窓の向こうを夕日が照らし出し
季節外れの桜と重なる虹がそこはかとなく
感傷にひたらせる
嗚呼、わたしのナイト様…
私は一人ため息をついた
こんなにもお慕い申しておりましたのに
なぜ私ではない方と結ばれてしまったのです…
そう昔に思いを馳せようとした時にも、あの方の
言葉が蘇ってくる
「ため息をついたら幸せが逃げてしまうよ」
爽やかな声と少し愁いをたたえた表情でおっしゃってた
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私はため息をつきながらも、タンスの上の写真を眺めた
嗚呼、こんなこともあったな
二人でビーチに行って。色んなことを語り合った
しかし今あの方の隣には私ではない女性がいる
私よりも唄が上手くて、見目麗しく
きっと良き妻となれる方と彼は結ばれてしまった
あの方の幸せを第一に願う私は
潔く身を引いたつもりだったが
今となって狂おしいほどの後悔と嫉妬に悩まされている
所詮、私はこの程度の者なのか…
目を瞑れば鮮明に思い出せる
冴え渡る剣技、爽やかな笑顔に
清廉潔白なる人柄
少し頼りなさげな雰囲気と、その強さとの
ギャップがまた、とても素敵な方だった
嗚呼、愛しい
私の心はまるでかごの中の鳥のように
あなたに囚われております……
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お慕い申しております、メルー様…
(出典:賢者マリーンが語る!私の人生
~青春からオルセコパラダイスまで~」
第1章 昔は魚が好きだった)